庭の困った雑草スベリヒユは捨てないで!驚きの栄養価と山形で愛される「ひょう」の正体


庭や畑、あるいはアスファルトの隙間から、抜いても抜いても力強く生えてくる厄介な雑草。その代表格が「スベリヒユ」です。夏の暑さにも負けず、広がるように増えるこの植物に、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ただの雑草として引き抜いて捨ててしまうのは、実は非常にもったいないことなのです。山形県をはじめとする一部の地域では「ひょう」と呼ばれ、古くから食卓を彩る美味しい山菜・伝統野菜として親しまれてきました。

この記事では、スベリヒユがなぜ「スーパーフード」と呼ばれるほど栄養価が高いのか、そして雑草を絶品料理に変える下処理や美味しいレシピについて詳しく解説します。


雑草の常識を覆す!スベリヒユ(ひょう)の驚くべき正体

スベリヒユは、多肉植物のような肉厚の葉と、赤紫色の茎が特徴の植物です。世界中に分布しており、海外では「ポーチュラカ」の仲間としても知られています。

日本では古くから「長命草(ちょうめいそう)」という別名でも呼ばれてきました。その名の通り、非常に生命力が強く、私たちが健康に過ごすための栄養素が凝縮されているのです。

天然のサプリメント?注目される栄養成分

スベリヒユが美容や健康に関心の高い人々から注目を集めている理由は、その圧倒的な栄養密度にあります。

  • オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸): 植物の中でトップクラスの含有量を誇ります。血液をサラサラに保つ効果や、生活習慣病の予防に役立つ成分として知られています。

  • 強力な抗酸化作用: ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEを豊富に含み、細胞の老化を防ぐアンチエイジング効果が期待できます。

  • 豊富なミネラル: カリウム、マグネシウム、鉄分、カルシウムがバランスよく含まれており、夏場のミネラル補給にも最適です。

  • グルタチオン: 美白ケアなどでも注目される成分で、デトックス効果や肝機能のサポートに寄与します。

これほどの栄養素を含んでいる植物が、実は庭に自生している「無料のスーパーフード」だったのです。


山形県民のソウルフード「ひょう」の文化

山形県では、スベリヒユを「ひょう」と呼び、夏の風物詩としてスーパーの店頭に並ぶほど一般的な食材です。

「ひょう(ひょっとして)」良いことがあるように、という願いを込めて、お正月やお祝いの席で食べられることもあります。夏に収穫したものを一度茹でて天日干しにし、保存食(干しひょう)として冬に備える知恵が、今もなお受け継がれているのです。


失敗しない!スベリヒユを美味しく食べる下処理のコツ

「雑草を食べるのは少し抵抗がある…」「えぐみが心配」という方も安心してください。正しい下処理を行えば、独特の酸味とぬめりがクセになる美味しい食材に変わります。

1. 収穫のポイント

できるだけ若く、先の方の柔らかい茎と葉を収穫します。花が咲く前のものが、食感も良く食べやすいです。※除草剤が撒かれていない場所のものを選んでください。

2. 念入りな洗浄

地面を這うように生えるため、根元や葉の付け根に砂が噛んでいることが多いです。ボウルに水を溜め、数回水を替えながら丁寧に洗いましょう。

3. サッと茹でてアク抜き

沸騰したたっぷりのお湯に塩を加え、1〜2分ほど茹でます。茹で上がったらすぐに冷水にさらしましょう。これにより、鮮やかな緑色をキープし、独特の酸味(シュウ酸)を適度に抑えることができます。


今すぐ試したい!ひょう(スベリヒユ)の人気レシピ

下処理を終えたスベリヒユを使って、簡単に作れる絶品メニューをご紹介します。

山形流「ひょうのからし和え」

ピリッとした刺激が、スベリヒユの爽やかな酸味を引き立てます。

  1. 茹でて水気を絞ったひょうを3cm幅に切る。

  2. 醤油、砂糖、和からしを混ぜ合わせる。

  3. 1と2を和え、最後にかつお節を振る。

    食欲が落ちる夏場でも、これがあればご飯が進みます。

シャキシャキ!ナムルとおひたし

素材の食感を活かしたシンプルな味付けもおすすめです。

  • ナムル: ごま油、鶏ガラスープの素、いりごま、おろしにんにくで和えれば、お酒のつまみに最高です。

  • マヨネーズ和え: お子様でも食べやすいよう、ツナとマヨネーズ、醤油少々で和えると酸味がマイルドになります。

洋風アレンジ「パスタの具材」

実はイタリアやフランスなど地中海沿岸でも食材として愛されています。

  • オリーブオイルでにんにくとベーコンを炒め、そこに茹でたスベリヒユを投入。塩胡椒で味を整えれば、程よいぬめりが麺に絡む絶品パスタの完成です。


収穫時に絶対に間違えてはいけない「似た植物」

スベリヒユを採る際に、一つだけ注意しなければならない植物があります。それが「コニシキソウ」です。

  • スベリヒユ: 茎を折っても透明な汁。葉は肉厚。食べられる。

  • コニシキソウ: 茎を折ると白い乳液のような汁が出る。毒性があるため食べられません。

「茎を折って白い汁が出るかどうか」を必ず確認するようにしましょう。


まとめ:庭の困りものを「健康の味方」に変えよう

これまで、ただ引き抜いて捨てていたスベリヒユ。しかしその中身は、驚くほどの栄養と、歴史に裏打ちされた美味しさが詰まっていました。

庭の草取りを「ただの労働」と考えるのではなく、「新鮮なオーガニック野菜の収穫」だと捉え直してみると、毎日の生活が少し楽しく、豊かになるかもしれません。

山形の先人たちが愛した「ひょう」。ぜひ一度、そのシャキシャキとした食感と、体に染み渡る栄養を体験してみてください。

次に庭でスベリヒユを見つけたときは、ぜひキッチンへ持ち帰ってみませんか?



山形県民の知恵「ひょう(スベリヒユ)」の食べ方と効能!雑草を絶品料理に変えるコツ