快適な住まいを作る配線工事のポイント!費用相場や後悔しないための注意点を徹底解説
「部屋の隅にコードが散乱して見た目が悪い」「ここにコンセントがあれば便利なのに……」「インターネットの速度が部屋によって遅い」といったストレスを感じていませんか?
電化製品やIT機器が欠かせない現代の生活において、配線環境の良し悪しは暮らしの快適さを大きく左右します。新築時だけでなく、リフォームやちょっとした増設工事を行うことで、住まいの利便性は劇的に向上します。
この記事では、主な配線工事の種類と費用相場、そして「あそこに作っておけばよかった!」という後悔を防ぐための設計のコツを詳しく解説します。
主な配線工事の種類と役割
配線工事と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。目的に応じて必要な工事を見極めましょう。
1. 電気配線(コンセント・照明)
最も一般的な工事です。コンセントの増設や移動、照明スイッチの位置変更などが含まれます。
コンセント増設: キッチン周りやテレビ裏、デスク周辺など、電化製品が集中する場所で行われます。
専用回路の設置: エアコンや電子レンジ、食洗機などの消費電力が大きい機器には、ブレーカーから直接つなぐ「専用回路」が必要です。
2. 通信配線(LAN・Wi-Fi)
テレワークや動画視聴を快適にするための工事です。
有線LAN配線: 壁の中にLANケーブルを通し、各部屋に差し込み口(情報コンセント)を作ります。Wi-Fiよりも安定し、高速な通信が可能です。
CD管の設置: 将来的にケーブルを入れ替えられるよう、あらかじめ配管(CD管)だけを通しておくこともあります。
3. テレビ・電話配線
テレビアンテナの設置や、各部屋への分配、固定電話の配線などを行います。最近では光回線を利用したテレビ視聴が主流になりつつあり、それに伴う配線変更も増えています。
配線工事の費用相場(目安)
工事費用は、配線を壁の中に隠す「隠ぺい配線」か、モールなどで壁を這わせる「露出配線」かによって大きく変わります。
| 工事内容 | 費用目安(1箇所あたり) | 備考 |
| コンセント増設 | 8,000円 〜 20,000円 | 既存の配線から分岐させる場合 |
| 専用回路の設置 | 15,000円 〜 30,000円 | ブレーカーから直接引く場合 |
| LAN配線工事 | 15,000円 〜 40,000円 | 宅内LANの構築、配管利用など |
| スイッチの交換・移動 | 5,000円 〜 15,000円 | 最新の調光スイッチなどへの変更 |
※部材費、工賃、出張費が別途かかる場合があります。
後悔しない配線計画!4つのチェックポイント
配線工事を依頼する前に、以下のポイントを確認しておくと失敗がありません。
1. 家具の配置をシミュレーションする
コンセントを作ったものの、大きな棚やベッドで隠れて使えなくなるのはよくある失敗です。「どこで」「何を」使うかを具体的にイメージしましょう。
2. 「高さ」にこだわる
通常、コンセントは床から25cm程度の高さに設置されますが、用途によっては変えたほうが便利です。
キッチン: 調理家電を使いやすいよう、ワークトップより少し高い位置に。
掃除機用: 腰をかがめずに済むよう、少し高めの位置に。
デスク周り: 机の天板の高さに合わせて設置すると、コードが床に垂れずスッキリします。
3. 外周りの配線も忘れずに
防犯カメラの設置、電気自動車(EV)用の充電コンセント、庭でのバーベキュー用など、屋外の配線も検討しておきましょう。後から屋外配線を行うと、外壁に穴を開けるなどの大掛かりな工事が必要になる場合があります。
4. 将来の拡張性を考える
子供部屋を将来2つに仕切る予定があるなら、あらかじめ両方のスペースに配線を通しておきましょう。また、スマートホーム化を見越して、ゲートウェイとなる場所に多めの配線を集約しておくと安心です。
自分でできる?「電気工事士」の資格について
配線工事を検討する際、「自分でDIYできないか」と考える方もいるかもしれませんが、注意が必要です。
資格が必要な範囲: 壁の中の配線、コンセント本体の交換、ブレーカー周りの作業などは**「第二種電気工事士」以上の資格**が法律で義務付けられています。無資格での作業は火災や感電のリスクがあり、大変危険です。
自分でできる範囲: 露出した配線をモールで隠す、市販の延長タップを使う、LANケーブルを床に這わせる、といった作業は資格がなくても可能です。
安全のためにも、壁の内部に関わる工事は必ず専門の業者に依頼しましょう。
まとめ:配線は「暮らしの神経」
住まいの配線は、人間でいう「神経」のようなものです。適切な場所に適切な配線が通っていることで、日々の家事や仕事、娯楽がスムーズに回り始めます。
小さなコンセント一つの増設でも、毎日の「不便」を解消する大きな価値があります。現在の住まいに少しでも使い勝手の悪さを感じているなら、一度専門家に相談して、最適な配線プランを提案してもらうのが近道です。