飛び出す絵本の作り方 仕掛け絵本は身近な材料で簡単に手作りできる
飛び出す絵本や仕掛け絵本は、ページを開いた瞬間に立体的な世界が広がり、子どもだけでなく大人も思わず引き込まれます。「難しそう」「特別な道具が必要そう」と思われがちですが、実は基本の仕組みさえ理解すれば、家庭にある材料で手軽に作ることができます。ここでは、初心者でも失敗しにくい飛び出す絵本の作り方を、工程ごとに分かりやすく解説します。
飛び出す絵本とはどんなものか
飛び出す絵本とは、ページを開く動作に合わせて紙の一部が立体的に起き上がる仕掛けを持つ絵本のことです。単純な立ち上がり構造から、複数のパーツが連動する複雑なものまで種類はさまざまですが、基本は紙の折り方と切り込みだけで構成されています。構造を理解すると、自由なアレンジもできるようになります。
用意する材料と道具
特別なものは必要ありません。基本的に以下があれば十分です。
・厚めの画用紙や色紙
・コピー用紙
・はさみ
・のり
・定規
・鉛筆
厚紙は台紙用、薄めの紙は飛び出すパーツ用に使うと仕上がりがきれいになります。色紙を使うと、着色の手間が省けるのでおすすめです。
まずは基本の仕掛けを作ってみよう
初心者に最適なのが、最もシンプルな「直角ポップアップ」と呼ばれる仕掛けです。
台紙となる画用紙を半分に折り、しっかり折り目をつけます。
折り目の部分に、同じ長さの切り込みを2本入れます。
切り込み部分を内側に押し込み、再度紙を開くと、四角い台が立ち上がります。
この部分に、動物や建物など好きなモチーフを貼るだけで、基本的な飛び出す仕掛けの完成です。
モチーフを立体的に見せるコツ
飛び出す絵本を魅力的に見せるポイントは、奥行きを意識することです。背景、手前、中央とパーツを分けて配置すると、簡単な構造でも立体感が増します。背景には空や風景、中央には主役、手前には草花などを配置すると、ページ全体にストーリー性が生まれます。
子どもと一緒に作る場合の工夫
子どもと一緒に作る場合は、切り込みや細かい作業は大人が担当し、貼り付けや色塗りを子どもに任せると安全で楽しく進められます。テーマを決めてから作ると、完成までの流れが分かりやすく、集中力も続きやすくなります。
よくある失敗と対処法
飛び出す絵本作りで多い失敗は、紙がうまく閉じない、開いたときにパーツが引っかかるといった点です。原因の多くは、切り込みの長さが左右で違うことや、のり付けの位置がずれていることです。必ず定規で長さをそろえ、のりは少量ずつ使うのがきれいに仕上げるコツです。
応用仕掛けで表現の幅を広げる
基本に慣れてきたら、段差を複数作ったり、左右に開くパーツを追加したりすると、より本格的な仕掛け絵本になります。同じ構造を繰り返すだけでも、配置を変えることで全く違った印象になります。難しい技法に挑戦する前に、シンプルな仕掛けを組み合わせることが上達への近道です。
オリジナル絵本として仕上げるアイデア
完成した飛び出すページを数枚まとめれば、世界に一つだけのオリジナル絵本になります。誕生日や記念日のメッセージを入れたり、物語仕立てにしたりすると、贈り物としても喜ばれます。表紙を少し厚めの紙にするだけで、完成度がぐっと高まります。
飛び出す絵本作りの魅力
飛び出す絵本は、作る過程そのものが学びと遊びを兼ねています。紙の構造を理解する力、空間を想像する力、完成までやり遂げる達成感など、多くの経験を得ることができます。完成したときの驚きと喜びは、既製品では味わえないものです。
まとめ
飛び出す絵本や仕掛け絵本は、特別な技術がなくても、基本の作り方を覚えれば誰でも手作りできます。シンプルな仕掛けから始めて、少しずつ工夫を重ねることで、表現の幅は自然と広がります。身近な材料で気軽に挑戦できるからこそ、親子の時間や創作活動としても最適です。紙が立ち上がる瞬間のワクワク感を、ぜひ手作りで体験してみてください。