配管工事の種類と費用相場|信頼できる業者の選び方と失敗しないための具体策


私たちの生活に欠かせない「水」や「ガス」、「空気」を運ぶライフラインの要、それが配管工事です。蛇口から水が出ることや、お風呂で温かいお湯が使えることは、すべて適切に設計・施工された配管のおかげです。

しかし、配管は壁の中や地面の下など、普段は見えない場所に隠れていることが多いため、トラブルが発生してから慌ててしまうケースも少なくありません。

この記事では、配管工事の主な種類、工事費用の目安、そして悪質な業者に騙されないための具体的な対策を詳しく解説します。


1. 知っておきたい配管工事の主な種類

配管工事と一言で言っても、運ぶものによってその役割や必要な資格が異なります。

給排水衛生設備工事

キッチン、トイレ、お風呂などの「給水管(きれいな水)」と「排水管(汚れた水)」を設置・修繕する工事です。

  • 給水管: 錆びにくいポリエチレン管などが主流。

  • 排水管: 詰まりを防ぐための適切な「勾配(傾き)」の設計が重要です。

ガス配管工事

都市ガスやプロパンガスをコンロや給湯器へ供給するための工事です。ガス漏れは重大な事故に直結するため、非常に厳格な資格(ガス主任技術者など)が必要となります。

空調配管工事(エアコン配管など)

エアコンの冷媒(冷やすためのガス)や、ドレン(結露水)を排出するための配管です。オフィスビルや工場などでは、巨大なダクト(風道)の設置も含まれます。


2. 配管工事の費用相場と工期の目安

工事の規模や状況により変動しますが、一般的な住宅における目安は以下の通りです。

工事内容費用の目安(一箇所)工期の目安
蛇口・水栓の交換1万円 〜 3万円30分 〜 1時間
排水管の詰まり解消1.5万円 〜 5万円1時間 〜 3時間
給排水管の引き直し(リフォーム)15万円 〜 50万円2日 〜 5日
屋外の埋設配管交換20万円 〜 100万円以上3日 〜 7日

※材料費、人件費、諸経費を含んだ概算です。現場の状況(壁の解体が必要か等)によって変動します。


3. 「やばい業者」を回避!信頼できる配管業者選びの具体策

配管工事は専門性が高く、素人には手抜きが見えにくい分野です。以下の3つのチェックポイントを必ず確認しましょう。

指定給水装置工事事業者であるか

各市区町村の水道局から「正しく工事を行う能力がある」と認められた業者に与えられる資格です。この指定がない業者は、大掛かりな配管工事を行うことが法律で認められていません。

見積書が「一式」で片付けられていないか

「配管工事一式 〇〇万円」という見積もりは要注意です。

  • 使用する管の種類(材質)

  • 長さ(メートル数)

  • 撤去費や処分費が含まれているか

    これらが細かく記載されている業者は、透明性が高く信頼できます。

アフターサポートと保証の有無

配管工事は、施工から数ヶ月〜数年後に水漏れが発生するリスクがゼロではありません。「工事後の保証期間は何年か」「トラブル時にすぐに駆けつけてくれるか」を確認しておきましょう。


4. 配管の寿命を延ばす!自分でできるメンテナンス

高額な引き直し工事(リニューアル)を避けるためには、日頃のケアが重要です。

  1. 油を流さない: 排水管の詰まりの最大の原因は固まった油です。キッチンでは必ず拭き取ってから洗いましょう。

  2. 定期的な高圧洗浄: 5〜10年に一度、専門業者による配管洗浄を行うことで、管の腐食や詰まりを未然に防ぐことができます。

  3. 水漏れサインを見逃さない: 「水道代が急に上がった」「地面がいつも湿っている」「壁にシミがある」といった場合は、見えない場所で配管が破損している可能性があります。


まとめ:配管工事は「早めの点検」が最大の節約

配管トラブルは、放置すればするほど被害が広がり、修繕費用も跳ね上がります。

  • 水漏れや詰まりを感じたらすぐに専門家へ相談する

  • 指定工事店を選び、詳細な見積もりを確認する

  • 定期的なメンテナンスで配管の健康寿命を延ばす

安心・安全なライフラインを守るために、信頼できるパートナーを見つけておきましょう。


よくある質問(FAQ)

Q. 配管の耐用年数はどれくらいですか?

A. 材質によりますが、かつての鉄管や銅管は20〜25年、現在の樹脂管(架橋ポリエチレン管など)は30〜50年程度と言われています。

Q. マンションの配管工事は個人で依頼できますか?

A. 専有部分(部屋の中)は個人負担ですが、共用部分(縦管など)は管理組合の判断となります。まずは管理規約を確認し、管理会社へ連絡しましょう。

Q. DIYで配管を修理しても大丈夫ですか?

A. パッキン交換程度の軽微な作業は可能ですが、配管自体の接続や増設は水漏れや事故のリスクが高く、また法律で資格が必要な場合が多いため、プロに任せるのが安全です。

次は、古い一軒家の「給水管の引き直し工事(更新)」にかかる具体的な費用内訳や、補助金制度について詳しく解説しましょうか?