お金のかからない雑草と共生させる植物の選び方!手間いらずで美しい庭を作る新常識


「抜いても抜いても生えてくる雑草に疲れてしまった……」

「いっそのこと、雑草を敵視するのではなく、うまく付き合う方法はないだろうか?」

そんな風に考えたことはありませんか?実は、すべての雑草を根絶やしにする必要はありません。特定の植物を戦略的に配置することで、厄介な雑草を抑え込みつつ、自然で美しい「ローメンテナンスな庭」を作ることが可能です。

この記事では、初心者の方でも予算をかけずに始められる、雑草と共生しながら庭を整える「カバー植物」の選び方と、成功の秘訣を詳しく解説します。


1. 雑草を「抑える植物」を選ぶ3つの基準

雑草と共生(コントロール)させるためには、ただ好きな花を植えるのではなく、以下の条件を満たす植物を選ぶのがポイントです。

繁殖力が雑草に負けないこと

雑草が隙間に生える前に、地面を覆い尽くす(被覆力が高い)植物を選びます。これにより、雑草の成長に必要な日光を遮断できます。

肥料や水やりがほとんど不要なこと

「お金をかけない」ためには、手間や維持費がかからない野生に近い強健な種が理想です。

踏まれても強く、冬を越せること

庭の通路や活動スペースに植える場合、ある程度の踏圧に耐えられ、かつ毎年芽吹く「宿根草(しゅっこんそう)」や「多年草」がコストパフォーマンス最強です。


2. 【予算ゼロ〜数百円】おすすめの共生パートナー5選

身近な場所で安く手に入る、あるいは種から簡単に増やせる優秀な植物を紹介します。

クラピア・ヒメイワダレソウ

  • 特徴: 非常に被覆力が強く、小さな可愛い花が咲きます。雑草を抑える能力はトップクラスです。

  • コスパ: 最初の数ポットを購入して植えれば、数ヶ月で数倍の面積に広がります。

クローバー(シロツメクサ)

  • 特徴: どこにでもあるお馴染みの草ですが、土壌を豊かにする窒素固定能力があります。

  • コスパ: 種が非常に安価(数百円)で、広い範囲にまくことができます。

タイム(クリーピングタイム)

  • 特徴: ハーブの一種で、踏むと良い香りが漂います。密集して生えるため、他の雑草が入り込む隙を与えません。

  • コスパ: 挿し木で簡単に増やせるため、1つの苗から庭全体に広げることが可能です。

アジュガ

  • 特徴: 日陰でも育つため、建物北側や木の下など、雑草が悩みやすい暗い場所に最適です。

  • コスパ: ランナー(匍匐茎)を伸ばして勝手に増えていくため、放置でも面積が広がります。

芝桜(シバザクラ)

  • 特徴: 春には一面の花の絨毯になります。葉が密生するため、一度定着すれば雑草の侵入を強力に防ぎます。


3. 「雑草を活かす」という新しい考え方

すべての草を抜くのではなく、「抜くべき草」と「残しても良い草」を分けるだけで、庭の雰囲気は劇的に変わります。

  • 抜くべき草: セイタカアワダチソウやススキなど、背が高くなりすぎるものや、トゲがあるもの、アレルギー源になるもの。

  • 残しても良い草: カタバミやホトケノザなど、背が低く花が可愛いもの。これらをあえて残すことで、地面の露出を防ぎ、より強い雑草の種が着地するのを防ぐ「天然のマルチング」として活用します。


4. 失敗しないための「植え付け」ステップ

ただ植えるだけでは雑草に負けてしまいます。最初の準備が成功の9割を決めます。

ステップアクション目的
1. 初期除草植えたい場所の目立つ雑草だけ一度抜く。カバー植物が根付くまでの時間稼ぎ。
2. 苗の配置30cm間隔くらいで点在させるように植える。全体に広がるスピードを早める。
3. 踏み固め植えた後に軽く足で踏む。土と根を密着させ、成長を促進する。

5. 【注意】繁殖力が強すぎる「モンスター植物」に注意

「お金をかけずに増える」のはメリットですが、以下の植物は管理が大変になる可能性があるため、植える場所を慎重に選びましょう。

  • ミント: 地下茎で爆発的に増え、他の花を駆逐します。「ミントテロ」と呼ばれるほど強力なので、地植えにする際は仕切り板を埋めるなどの対策が必要です。

  • ドクダミ: 薬草として優秀ですが、根が深く一度増えると絶やすのが困難です。


まとめ:楽して美しい「緑の絨毯」を手に入れよう

雑草対策を「戦い」から「共生」に変えることで、お金も時間も節約できます。

  1. 自分の庭の日当たりに合った「カバー植物」を1種類選ぶ。

  2. 数個の苗を安く買い、少しずつ増やしていく。

  3. 背の低い可愛い雑草は、あえて「味方」として残してみる。

完璧な「土だけの庭」を目指すよりも、緑豊かな「管理された野原」を目指すほうが、心にも家計にも優しいものです。まずは、小さなスペースからお気に入りのカバー植物を植えてみませんか?