草刈機作業中の緊急停止法|危険を防ぐ安全な対処マニュアル
草刈機は便利な作業機械ですが、**作業中に急な異常やトラブルが起きたときの「緊急停止法」**を知らないと、重大な事故につながる危険があります。
実際、草刈機の飛び石やエンジン暴走、衣服の巻き込みなどによるケガは毎年多く報告されています。
この記事では、初心者から経験者まで役立つ「草刈機作業中の安全な緊急停止方法」と、「トラブル別の対応手順」を詳しく解説します。
安全第一で作業を行うための必読ガイドです。
◆ なぜ緊急停止法を知っておく必要があるのか
草刈機は1分間に数千回転する刃を備えた強力な機械です。
一瞬の判断ミスで指や足の怪我、飛び石事故、火傷や機械損傷を引き起こす可能性があります。
しかし、作業中に冷静にスイッチを探したり、燃料バルブを閉めたりするのは難しいもの。
だからこそ、「もしも」に備えて緊急停止の動作を身体で覚えておくことが重要です。
◆ 草刈機の基本的な緊急停止法
草刈機には、必ず**「エンジン停止スイッチ」または「スロットルレバー」**が装備されています。
メーカーによって位置が異なりますが、一般的な停止手順は次の通りです。
▶ 手動式エンジン草刈機の緊急停止手順
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スロットルレバーを離す
→ エンジン回転数が下がり、刃の回転が減速します。 -
ストップスイッチ(赤または黒)を押す or 下げる
→ エンジンが停止。 -
エンジン停止を確認してから草刈機を地面に置く
💡 ポイント:
停止スイッチの位置は、作業前に必ず確認しておきましょう。
緊急時にすぐ手を伸ばせる位置にあるかが安全の鍵です。
▶ バッテリー式・電動草刈機の緊急停止手順
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トリガー(握り)を離す
→ 電気供給が止まり、刃が自動的に停止します。 -
必要に応じてバッテリーを外す
→ 刃が完全に止まってから、安全のため電源を切りましょう。
💡 ポイント:
電動タイプは瞬時に停止しますが、誤って再起動しないようバッテリーを外すことが大切です。
◆ 状況別・緊急停止と対処法
作業中に起こりやすいトラブルごとの対応方法を紹介します。
落ち着いて順番に対処することで、重大事故を防げます。
① 刃が異物を巻き込んだとき
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すぐにスロットルを離してストップスイッチを押す
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完全に回転が止まるまで刃に触れない
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異物(石・針金・草の束)を取り除く際は、グローブを着用してから
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刃に変形や欠けがないか確認し、異常があれば使用を中止
🔸巻き込み時に無理に引っ張ると、ギアやシャフトが破損する恐れがあります。
② エンジンが暴走したとき
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すぐにストップスイッチを押す
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停止しない場合は、チョークを閉めて燃料供給を遮断
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燃料漏れや煙が出ている場合は、機械から距離を取り消火準備を
暴走の原因にはスロットルワイヤーの引っ掛かりやキャブレターの異常などが考えられます。
再始動前に必ず整備点検を行いましょう。
③ 衣服や草がシャフトに絡まったとき
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即座にスロットルを放し、ストップスイッチで停止
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エンジンが完全に止まってから、絡まった部分を慎重に外す
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刃やシャフトに損傷がないか確認
💡 NG行動:
エンジンが動いている状態で絡まった物を取ろうとすると、指の切断事故につながります。
④ 異常な振動や異音が発生したとき
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スロットルを離し、エンジンを停止
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刃の取付部・ボルト・カバーを確認
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緩みや変形があれば、工具で締め直す or 部品交換
振動の放置は、刃の飛散やギア破損の原因になります。
「少しおかしいな」と思ったら、即停止が鉄則です。
◆ 緊急時の周囲対応も忘れずに
草刈機を停止したあと、周囲の人にも**「危険を知らせる合図」**を送りましょう。
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「止まって!」や「危ない!」と大声で伝える
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手を上げて周囲に知らせる
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チーム作業中なら、無線やハンドサインで連絡
緊急時に冷静に行動できるよう、事前に合図や役割を決めておくと安心です。
◆ 作業再開前の安全確認ポイント
緊急停止後に作業を再開する場合は、以下をチェックしましょう。
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刃の固定ネジ・ナットの緩みがないか
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カバー・シャフトに割れや変形がないか
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エンジン・モーターに異常な音や振動がないか
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スイッチが確実に動作するか
どれか一つでも不安がある場合は、作業を中断して点検・整備を依頼しましょう。
◆ まとめ:緊急停止法を身につけて安全作業を徹底しよう
草刈機作業中は、ほんの一瞬のトラブルが命に関わる事故を引き起こすこともあります。
そのリスクを最小限にするためには、緊急停止の動作を体に染み込ませておくことが最も大切です。
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作業前にスイッチ位置を確認
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トラブル時は迷わずスロットルを放す
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エンジン停止後まで刃には触れない
この3つを徹底するだけで、事故の大半は防げます。
「慣れた作業こそ油断しない」――安全第一を忘れず、安心して草刈りを行いましょう。