エンジンが蘇る!草刈機(刈払機)のスパークプラグ交換手順とメンテナンス術


「草刈機のエンジンがかかりにくい」「始動性が悪くなった」と感じたら、それはエンジンの着火源であるスパークプラグ(点火プラグ)汚れ劣化が原因かもしれません。

スパークプラグは、エンジン内部で燃料に着火させるための重要な部品です。ここを定期的にチェックし、適切なタイミングで交換・清掃するだけで、あなたの刈払機本来のパワーを取り戻し、燃費効率作業効率が大幅に改善します。

この記事では、スパークプラグの交換時期の見分け方から、正しい交換手順、そして交換後に起きがちなトラブル「プラグかぶり」の対処法まで、分かりやすく丁寧に解説します。


1. スパークプラグを交換・点検すべきサインと交換時期

スパークプラグは、使っているうちに電極が摩耗したり、不完全燃焼による**カーボン(炭)**が溜まったりして、点火能力が低下していきます。

1-1. 交換・点検の目安となる症状

以下の症状が出たら、すぐにスパークプラグの点検が必要です。

  • エンジンの始動性が悪い: リコイルスターター(ひも)を何度も引かないとエンジンがかからない。

  • アイドリングが不安定: エンジンをかけた後、回転数が一定せず、すぐに止まってしまう。

  • パワー不足: 負荷をかけると急激に回転が落ち、最高の出力が出ない。

  • 燃費の悪化: 以前よりも燃料の減りが早くなった。

1-2. 交換時期の目安

一般的な草刈機や農機具のスパークプラグは、使用頻度にもよりますが、約50〜100時間ごとの点検、または1年に一度(シーズン終わりに保管する前など)の交換が推奨されます。

また、プラグを取り外した際に電極が真っ黒に濡れていたり、カーボンが分厚く付着している場合は、迷わず交換しましょう。


2. 【図解】スパークプラグの正しい交換手順(3ステップ)

スパークプラグの交換は、特別な工具はほとんど不要で、ご自身で簡単に行えるメンテナンス作業です。

準備するもの

  • 新しいスパークプラグ必ず現在使用しているプラグと同じ品番のもの

  • プラグレンチ(草刈機に付属していることが多い)

  • 乾いた布またはウエス(ティッシュや毛羽立つ布は避ける)

【注意】作業前の鉄則

必ずエンジンが完全に冷えていることを確認してから作業を開始してください。熱いまま作業すると、やけどネジ山の破損の原因になります。

ステップ1:古いプラグの取り外し

  1. プラグキャップを外す: エンジンのプラグ部分に被さっている**黒いゴム製のキャップ(プラグキャップ)**を、コードではなくキャップ本体をしっかり持って引き抜きます。

  2. プラグレンチで緩める: プラグレンチをプラグに差し込み、反時計回りに回して緩めます。

    • ポイント: 長く使用して固く締まっている場合は、プラグレンチに軽く衝撃を与えると緩みやすくなることがあります。

  3. プラグを取り出す: ある程度緩んだら、手でプラグレンチを回してプラグを完全に取り外します。このとき、プラグ穴にゴミや砂が入らないように注意してください。

ステップ2:新しいプラグの取り付け

  1. 品番の確認: 新しいプラグの品番が古いものと全く同じであることを再確認します。異なるプラグはエンジンの故障に繋がります。

  2. 手で締める(重要!): 新しいプラグをプラグ穴に差し込み、最初は必ず手で時計回りに回してねじ込みます。

    • 注意: 最初からプラグレンチを使うと、ネジ山を破損させるリスクがあります。手で回らなくなるまで確実に締め込みます。

  3. レンチで本締め: 手で回せなくなったら、プラグレンチを使ってさらに1/4回転〜半回転程度、力を入れてしっかりと締め付けます。

    • 注意: 締め付けすぎるとプラグが折れたり、エンジンのネジ山を痛めたりするので、適度な力で締めます。

ステップ3:キャップの取り付けと完了

  1. プラグキャップを接続: プラグキャップを新しいプラグの先端に差し込み、カチッと音がするまで最後までしっかり押し込みます

これでスパークプラグの交換は完了です。


3. トラブルシューティング:エンジンがかからない時の「プラグかぶり」対処法

交換後もエンジンがかからない、または作業中に急にエンジンが止まってしまった場合、「プラグかぶり(燃料かぶり)」が起きている可能性があります。

3-1. プラグかぶりの原因と症状

プラグかぶりとは、チョークを閉じたままリコイルスターターを何度も引きすぎたことで、エンジン内部に**過剰な燃料(混合油)**が送られ、スパークプラグの先端が燃料で濡れてしまい、火花が飛ばなくなる状態です。

  • 症状: スパークプラグの電極が燃料で濡れている。エンジンがかかる気配がない。

3-2. プラグかぶりの正しい対処手順

  1. プラグを取り外して乾燥させる: ステップ1の手順でスパークプラグを取り外し、プラグの先端を乾いた布で丁寧に拭き取り、完全に乾燥させます。

  2. シリンダー内の燃料を追い出す: プラグを外したままの状態で、チョークを開け(運転位置)リコイルスターターを20回ほど力強く引きます。これにより、プラグ穴からシリンダー内部に溜まった余分な燃料を追い出します。

  3. 再取り付けと始動: プラグを乾燥させ、ステップ2の手順でエンジンに戻します。

  4. 再始動: チョークを開けたまま(または取扱説明書に従い、通常通りの始動手順の最終段階)リコイルスターターを引き、エンジンを始動させます。

燃料かぶりを防ぐためには、チョークの使い方を正しく理解し、始動時にリコイルスターターを引きすぎないことが重要です。


4. エンジン性能を維持するための総合メンテナンス

安定したエンジン性能を保つためには、スパークプラグだけでなく、以下のメンテナンスも同時に行うと効果的です。

  • エアフィルター清掃: エンジンにきれいな空気を送るエアフィルターのホコリを定期的に取り除く。

  • 燃料の長期保管対策: シーズンオフなど、長期間使用しない場合は、必ず燃料タンクとキャブレター内の**古い燃料(混合油)**を抜き取ってから保管する。古い燃料はキャブレターの詰まりの大きな原因となります。

これらの基本的なメンテナンスを習慣にすることで、あなたの草刈機はいつでも最高の状態で、快適な作業を実現してくれるでしょう。

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