🚨 焦らない!草刈機(刈払機)の「困った!」を解決するトラブルシューティング完全ガイド
「エンジンが突然かからなくなった…」「作業中に回転が不安定になって止まる…」
草刈り作業の最中に機械が動かなくなると、焦りとイライラが募りますよね。草刈機(刈払機)は、適切なメンテナンスを行っていても、燃料や点火系統、駆動系といった複雑な要素が絡み合っているため、ちょっとした原因で動作不良を起こしやすい機械です。
しかし、多くの草刈機トラブルは、原因さえ特定できれば、専門的な知識がなくてもご自身で簡単に対処できるケースがほとんどです!高額な修理費用をかける前に、このトラブルシューティングリストで原因を突き止め、まずはご自身で解決にチャレンジしてみましょう。
この記事では、草刈機で最も頻繁に発生する3大トラブル(エンジンがかからない、回転が不安定、異音・振動)に焦点を当て、その原因と具体的な対処法を分かりやすく解説します。この知識を備えれば、もう作業中のトラブルに動じることはありません!
🏆 トラブル1:【最重要】エンジンが全くかからない・かかってもすぐ止まる
エンジンがかからない時、原因の9割は「燃料」「空気」「点火」のいずれかに問題があります。冷静にチェックしていきましょう。
A. 燃料系統の原因と対処法
原因 | 症状と確認ポイント | 対処法 |
燃料の劣化/間違い | タンクの燃料が古い(1ヶ月以上前)、または混合比率が間違っている(2サイクル機の場合)。 | タンク内の古い燃料をすべて抜き取り、新しい混合燃料(または4サイクル機なら純ガソリン)を入れ直す。 |
燃料フィルターの詰まり | プライマリーポンプ(燃料を送る透明なポンプ)を押しても、燃料の戻りが悪い、または気泡が多い。 | 燃料タンク内の**フィルター(ピックアップボディ)**を点検し、汚れていたら清掃または交換する。 |
燃料かぶり(オーバーチョーク) | チョークを閉じた状態でリコイルスターターを何度も引きすぎた。スパークプラグが燃料で濡れている。 | チョークを開けた状態でリコイルスターターを数回引き、シリンダー内の燃料を飛ばす。プラグを外して乾燥させる。 |
B. 点火系統の原因と対処法
原因 | 症状と確認ポイント | 対処法 |
スパークプラグの汚れ/劣化 | プラグを外し、電極に**黒いスス(カーボン)**が付着している、または濡れている。 | 乾いた布で拭き取り、再装着する。焼けがひどい、または寿命(2〜3年)が近い場合は新品に交換する。 |
プラグコードの不具合 | プラグキャップがプラグにしっかりはまっていない。 | キャップを外し、「カチッ」という音がするまで奥までしっかりと押し込む。 |
C. 空気系統の原因と対処法
原因 | 症状と確認ポイント | 対処法 |
エアクリーナーの詰まり | エレメント(スポンジや紙)が草のカスやホコリで真っ黒に汚れている。 | エアクリーナーを外し、清掃または新品に交換する。スポンジ式は専用オイルを少量塗布する。 |
マフラーの詰まり | エンジンがかかりにくい、またはかかってもすぐに止まる(特に2サイクル機)。 | マフラーを外し、排気口周辺のカーボンやオイルの燃えカスを清掃する(専門的な分解清掃が必要な場合もある)。 |
🏆 トラブル2:回転が不安定・アイドリングしない・吹け上がらない
エンジンはかかるものの、回転数が安定しない、アクセルを握ってもパワーが出ないといった症状は、特にキャブレター(気化器)の不調が疑われます。
症状 | 主な原因 | 対処法 |
アイドリングが不安定(すぐに止まる) | キャブレターの調整ネジ(アイドリング調整ネジ)の設定がズレている。 | アイドリング調整ネジ(Tマーク付近)を少しずつ回し、刈刃が回らないギリギリの安定した回転数に調整する。 |
回転が不安定/吹け上がらない | 燃料劣化によるキャブレター内部の詰まり(ジェットや通路)。 | 新しい燃料に入れ替え、しばらく運転させてみる。改善しない場合は、キャブレターの分解清掃が必要(難易度が高いため、業者依頼も検討)。 |
高回転でパワーが出ない | エアクリーナーの詰まり、または点火プラグの劣化。 | エアクリーナーを清掃/交換する。プラグを点検し、必要であれば交換する。 |
オーバーヒート | エンジン部の冷却フィンに草やホコリが詰まっている。または連続運転時間が長い。 | エンジンを停止し、30分以上冷却させる。冷却フィン周りを完全に清掃する。 |
🏆 トラブル3:異音・異常な振動・刈刃の不調
作業効率や安全に直結する、刈刃周辺や駆動系のトラブルです。
症状 | 主な原因 | 対処法 |
刈刃からの大きな振動 | チップソーのチップが欠けたり、刃が変形している。または取り付けが緩んでいる。 | 欠損や変形がある場合はすぐに新品に交換する。取り付けナットが緩んでいないか確認し、しっかり締める。 |
ギアヘッド(刃の付け根)からの異音 | ギアケース内部のグリース切れ、またはギアの摩耗・破損。 | ギアケースにグリースを補充する。異音が続く場合はギアの破損が疑われるため、専門業者に点検を依頼する。 |
回転軸(シャフト)がブレる | ギアヘッドの取り付けボルトが緩んでいる。 | ボルトやネジに緩みがないか確認し、しっかりと締め直す。 |
スターターロープが戻らない | ロープ内部のゼンマイやリールに不具合がある。 | 無理に引かず、スターターカバーを外し、内部の破損やゼンマイ外れを確認する(無理な修理はせず、業者依頼が安全)。 |
🛠️ 自分で解決できない時の「修理依頼」の判断基準
上記トラブルシューティングを試しても症状が改善しない場合、以下のケースでは無理せず専門業者に修理を依頼しましょう。
キャブレターの分解清掃が必要な場合:内部の微細なパーツが多く、素人作業では元に戻せなくなるリスクが高い。
エンジン内部の異音・焼き付きが疑われる場合:ピストンやシリンダーの交換など、高度な分解整備が必要。
スターターロープが内部で破損している場合:ゼンマイの再セットアップは複雑で危険が伴う。
【修理と買い替えの目安】
修理費用が新品本体価格の半分以上になる場合は、買い替えも視野に入れることをおすすめします。特にエンジン式の場合、使用期間が5〜7年を超えていると、修理しても他の箇所がすぐに故障する可能性が高くなります。
最後に:トラブルは「早期発見」と「予防」が鍵
草刈機のトラブルは、多くの場合、日々の清掃や定期的な燃料管理を怠った結果として発生します。今回ご紹介したトラブルシューティングを活用し、異変を察知した時点で早めに対処することで、大きな故障を防ぐことができます。
**適切なメンテナンス(燃料、空気、点火、駆動)**を習慣化し、あなたの草刈機を長く、安全に使い続けましょう!