草刈機(刈払機)の刃の種類別メリットとデメリット
草刈機の刃は、作業する場所の環境や刈りたい草の種類に応じて使い分けることが重要です。主要な3種類の刃の特徴を理解し、安全かつ効率的な作業を目指しましょう。
刃の種類 | 特徴 | メリット(利点) | デメリット(欠点) |
チップソー | 金属の台金に超硬合金のチップ(刃先)を取り付けた、最も一般的なタイプ。 | 1. 切れ味と汎用性が高い:硬い雑草、笹、小枝まで幅広く対応可能。 | 1. キックバックの危険:石や硬い障害物に当たると、大きく跳ね返る(キックバック)危険がある。 |
2. 耐久性:金属刃よりもチップが摩耗しにくく、長持ちする。 | 2. チップの欠け:石などに当たるとチップが欠け、切れ味が急激に悪化する。 | ||
3. 作業効率が良い:広範囲の草刈りをスピーディーに行える。 | 3. 目立てが難しい:金属刃に比べ、チップの目立て(研ぎ直し)に技術と専用の道具が必要。 | ||
金属刃 | チップが付いていない、円盤の切り欠き自体が刃になっているシンプルな構造(2枚刃、4枚刃など)。 | 1. 経済的:チップソーに比べて本体価格が安い。 | 1. キックバックが大きい:刃数が少ないため、硬い障害物に当たった際の衝撃が大きい。 |
2. 研ぎやすい:グラインダーなどで簡単に研ぎ直しができ、再利用しやすい。 | 2. 切断能力の限界:柔らかい草向きであり、硬い雑草や雑木にはチップソーより劣る。 | ||
3. 軽量(薄刃):比較的軽量なモデルが多い。 | 3. 摩耗が早い:チップソーに比べて刃が鈍くなりやすい。 | ||
ナイロンコード | ナイロン製のコード(ヒモ)を高速回転させ、遠心力で草を叩き切るタイプ。 | 1. 安全性が高い:刃物ではないため、人体に当たっても切断事故のリスクが低い。 | 1. 切断能力が低い:硬い草や太い茎、小枝などは苦手。主に柔らかい草や芝生向き。 |
2. 障害物に強い:フェンス、ブロック塀、石垣などに当たっても刃こぼれせず、際(きわ)まで刈れる。 | 2. 消耗品:草を刈ることでコードが短くなり、頻繁な補充・交換が必要(コストがかかる)。 | ||
3. キックバックが少ない:障害物による跳ね返りがほとんどないため、初心者でも扱いやすい。 | 3. 飛散物が多い:草や小石を叩きつけるため、周囲への飛散が多く、作業者の保護具が必須。 |
【用途別最適な刃の選び方】
目的(場所) | 推奨される刃 | 理由 |
広い平坦地 | チップソー | 切れ味が良く、作業効率を最優先できるため。 |
硬い雑草・笹・雑木 | チップソー(刃数の多いもの) | 高い切断能力が必要なため。 |
障害物の多い場所 | ナイロンコード | フェンスや壁際を傷つけず、安全に作業できるため。 |
芝生や柔らかい草 | ナイロンコード または 金属刃(2枚刃など) | 地際まで綺麗に刈りたい、または経済性を優先したい場合に適する。 |
安全上の注意: どの刃を使う場合でも、保護メガネ、手袋、長袖、長ズボン、安全靴などの保護具の着用は必須です。特にチップソーや金属刃を使用する際は、キックバックや飛散物による事故を防ぐため、周囲の状況を常に確認しながら作業してください。