危険な「際刈り」を安全に!草刈機でフェンス沿いの草を綺麗に刈るプロの全手法
ご自宅や管理地のフェンス沿いの草刈りは、手間がかかるだけでなく、危険も伴う作業です。
草刈機の刃がフェンスやコンクリートに当たって「キックバック」を起こしたり、小石や破片が高速で飛散したりする事故は後を絶ちません。また、チップソー(金属刃)を使うとフェンスを傷つけてしまう心配もありますよね。
「フェンスの際まで綺麗に刈りたいけど、安全に作業する方法が分からない…」
この記事では、草刈機を使ってフェンス沿いの草を安全かつ徹底的に刈るための、道具の選び方から正しい手順、事故を未然に防ぐためのプロの対策までを具体的に解説します。
リスクを最小限に抑え、効率的に美しい仕上がりを手に入れましょう。
フェンス沿いの草刈りが危険な3つの理由と事前対策
フェンス沿いや壁際の草刈りは、「際刈り」と呼ばれ、通常の草刈りよりも慎重な注意が必要です。まず、なぜ危険なのかを理解し、作業前に万全の対策をとりましょう。
1. 「飛散物」による負傷のリスク
フェンスやコンクリートなどの硬い障害物の際を刈ると、刈刃に当たった小石や破片が予測不能な方向に高速で飛散します。これが目や顔に当たると重大な事故につながるため、作業者本人だけでなく周囲への注意も必要です。
【対策】
保護具の徹底装着:保護メガネ(ゴーグル)、フェイスシールドは必須です。さらに、長袖・長ズボン、手袋、安全靴(先芯入り)、すね当てを着用しましょう。
事前点検:フェンス沿いの草を刈る前に、空き缶やガラス片、小石などの障害物を必ず取り除いてください。
2. チップソーによる「キックバック」の発生
チップソー(金属刃)の回転している部分が、フェンスの柱や金網などの硬い物に接触すると、刈刃が反発して草刈機本体が作業者の方向に跳ね返る現象**「キックバック」が発生します。これは非常に危険**です。
【対策】
刈刃の右側90度は使わない:キックバックは、刈刃の正面から右側90度までの部分が障害物に接触した時に起こりやすいです。フェンス沿いを刈る際は、刈刃の左側1/3部分のみを使うことを意識しましょう。
使用する刃の変更:チップソーではなく、後述のナイロンコードを使用することを強く推奨します。
3. フェンス自体の破損とコードの絡まり
チップソーを使用すると、フェンスの金属や塗装を傷つけてしまうリスクがあります。また、ナイロンコードでも、フェンスの網目に絡まってコードがちぎれやすく、作業が中断してしまうことがあります。
【対策】
ナイロンコードカッターの使用:フェンスを傷つけず、キックバックのリスクも低いナイロンコードが最も安全で効率的です。
ツル性植物の除去:フェンスにツルが絡まっている場合は、草刈り前に鎌などで手作業で取り除くと、コードが絡まるのを防げます。
【必須】フェンス沿いに最適な「ナイロンコードカッター」の活用術
フェンス沿いや障害物の際刈りには、チップソーよりもナイロンコードカッターが圧倒的に安全で推奨されます。
1. ナイロンコードのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
キックバックの危険が極めて少ない。 | チップソーより草の飛散が多い。 |
フェンスやブロックを傷つけにくい。 | コードの摩耗が早い。 |
際まで綺麗に刈りやすい。 | 太い草や木には不向き。 |
2. 安全な「刈り方」と「コード出し」のコツ
ナイロンコードを使用する際は、コードの先端で草を叩き切るイメージで作業します。
刈り方の基本:刈刃の左側1/3の先端部分をフェンスに沿わせるようにして、右から左へゆっくりと払うように操作します。強く押し当てすぎないことが重要です。
コードの長さ:コードが短すぎると作業効率が悪く、長すぎると回転数が落ちてパワー不足になります。カッターの説明書に記載された適正な長さを維持することが大切です。
フリー構造のナイロンカッター:障害物に当たってもコードが逃げて摩耗を軽減する構造のカッターも市販されています。コード切れを防ぎ、作業効率を向上させる効果があります。
際刈り作業の安全性を高めるプロのテクニック
道具の選択と正しい使い方に加え、作業の進め方にも安全と仕上がりを両立させるコツがあります。
1. 体重移動で安定した姿勢を保つ
草刈機は両手で確実に保持し、体重が両足に均等にかかるように足を適度に開きます。フェンス沿いを刈る際も、体の軸をぶらさず、安定した姿勢でゆっくりと進行することが事故防止につながります。
2. 刈り進める順番を工夫する
斜面や段差がある場所では、フェンスが見つけやすいように、高い方から低い方へ順に刈り進めると安全性が高まります。また、無理せず刃先が届く範囲を対象に作業しましょう。
3. 飛散防止ネット(衝立フェンス)を活用する
道路や隣家に面したフェンス沿いを刈る場合、飛散物による第三者への被害を防ぐため、自立式の飛散防止ネット(衝立フェンス)を設置することが有効です。これにより、作業者は飛散の心配を軽減でき、作業に集中できます。
4. ツルが絡まった場合の対処法
ツル性植物がフェンスに絡まっている状態で草刈機を使うと、刃やコードに絡まりつき、エンジンが停止したり、危険な状態になったりします。
必ずエンジンを停止する:絡まりを除去する際は、必ず****エンジンを停止してから手作業で取り除いてください。エンジンがかかった状態で作業すると、突然****刈刃が回転する危険性があります。
まとめ:安全第一で美しいフェンス沿いを実現しよう
草刈機でフェンス沿いを刈る際は、キックバックと飛散物のリスクを最小限に抑えることが最も重要です。
安全の鍵となるのは、以下の3つのポイントです。
ナイロンコードカッターを使用する。
保護メガネやフェイスシールドなど完全な保護具を装着する。
刈刃の左側1/3のみを使い、ゆっくりと安全な姿勢で刈り進める。
これらの対策を徹底することで、事故を未然に防ぎ、フェンスを傷つけずに境界線の際までスッキリと美しい仕上がりを実現できます。安全第一で作業に取り組みましょう。