【もしもに備える】草刈機・刈払機作業中の緊急時対応マニュアル


草刈り作業、お疲れ様です。広々とした土地や庭をきれいにするのは気持ちの良いものですが、機械を使う作業には常にリスクが伴います。万が一、草刈機・刈払機(以下、草刈機)を使っている最中に事故やトラブルが発生した場合、冷静かつ迅速に対応することが、被害を最小限に抑える鍵となります。

この記事では、草刈機作業中に起こりうる緊急事態とその対応方法を、具体的な手順とともに解説します。いざという時に慌てないために、ぜひ一度目を通しておいてください。

1. 作業前に確認しておきたい「もしも」への備え

緊急時の対応をスムーズにするためには、事前の準備が大切です。

  • 携帯電話の準備: 緊急連絡ができるように、携帯電話を必ず携行し、バッテリー残量を確認しておきましょう。

  • 救急セットの常備: 万が一の怪我に備え、消毒液、絆創膏、包帯、ガーゼ、止血帯などの基本的な救急セットを作業場所の近くに準備しておくと安心です。

  • 周囲への周知: 作業場所の近くに人がいる場合は、作業中であること、そして万が一の際に連絡してほしいことを伝えておくと良いでしょう。

  • 取扱説明書の確認: ご使用の草刈機の取扱説明書には、緊急時の対応についても記載されている場合があります。事前に確認しておきましょう。

2. 作業中に起こりうる緊急事態と対応方法

2.1. 怪我をしてしまった場合

a. 軽度の切り傷・擦り傷

  • 最優先事項: まずはエンジンを停止し、機械を安全な場所に置きます。

  • 応急処置:

    1. 清潔な布や流水で傷口の汚れを洗い流します。

    2. 清潔なガーゼなどで傷口を圧迫し、止血します。

    3. 絆創膏や包帯で保護します。

    4. 必要であれば、救急セットに入っている消毒薬を使用します。

  • 注意点: 傷口に異物(土や草の破片など)が入った場合は、無理に取ろうとせず、医療機関を受診してください。

b. 重度の出血・深部への損傷

  • 最優先事項: エンジンを停止し、機械を安全な場所に置きます。

  • 緊急連絡: 直ちに救急車(119番)を呼びます。

  • 応急処置:

    1. 出血している部分を清潔な布やガーゼで強く圧迫し、止血を試みます。

    2. 可能であれば、心臓より高い位置に出血部位を保ちます。

    3. 意識がある場合は、本人が水分を摂れるようにしますが、意識がない場合は無理に飲ませないでください。

  • 注意点: 意識がない、またはぐったりしている場合は、無理に動かさず、救急隊の到着を待ちましょう。

2.2. 機械の異常・故障

a. エンジンがかからない、停止してしまう

  • 原因の切り分け:

    • 燃料は入っていますか?

    • チョークは適切に操作されていますか?

    • プラグキャップはしっかり接続されていますか?

    • エアクリーナーは汚れていませんか?

  • 対処法: 上記を確認しても改善しない場合は、無理にエンジンをかけようとせず、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。

b. 異音がする、振動が大きい

  • 原因の切り分け:

    • 刈刃が石などの硬いものに当たっていませんか?

    • 刈刃が破損、またはバランスを崩していませんか?

    • 本体のネジなどが緩んでいませんか?

  • 対処法: 直ちにエンジンを停止し、異音や振動の原因を特定します。原因が刈刃にある場合は、必ずエンジンを停止し、冷却を確認してから、保護具を着用して点検・交換してください。原因が特定できない場合や、本体の緩みなどがある場合は、使用を中止し、専門業者に相談しましょう。

c. 燃料漏れが発生している

  • 危険性: 燃料漏れは火災や爆発の危険性があるため、非常に危険です。

  • 対処法: 直ちにエンジンを停止し、機械を安全な場所(火気の近くではない、換気の良い場所)に移動させます。燃料漏れの箇所を特定し、応急処置(テープなどで一時的に止めるなど)を試みるか、使用を中止して修理を依頼してください。

2.3. 周囲への配慮が必要な事態

a. 石や異物が飛んでしまった

  • 危険性: 飛散した異物は、人や物に当たると重大な事故につながります。

  • 対応:

    1. 直ちにエンジンを停止します。

    2. 飛散した方向や、当たった可能性のある場所を確認します。

    3. もし人に当たった可能性がある場合は、すぐに駆け寄り、怪我がないか確認します。

    4. 建物や窓ガラスなどに当たった場合は、所有者に連絡し、状況を説明します。

  • 予防策: 作業時は必ず保護メガネ、ヘルメット、長袖長ズボンを着用し、飛散防止カバーを正しく装着します。周囲に人がいないか、建物や窓ガラスなどの障害物がないかを十分に確認してから作業を開始しましょう。

b. 急に天候が悪化した場合(雷雨など)

  • 危険性: 雷雨の中での作業は非常に危険です。

  • 対応: 直ちに作業を中止し、エンジンを停止します。周囲に高い木や建物がある場合は、そこから離れて安全な場所に避難します。

3. 緊急連絡先リストの作成

万が一の事態に備え、以下の連絡先をすぐに確認できる場所にリストアップしておきましょう。

  • 消防・救急: 119番

  • 警察: 110番

  • 購入した販売店・修理業者: (電話番号を控えておく)

  • 近隣の信頼できる人: (緊急時に連絡・協力をお願いできる人)

まとめ

草刈機・刈払機は便利な道具ですが、そのパワーゆえに、使い方を誤ると大きな事故につながる可能性があります。

今回ご紹介した緊急時の対応方法を頭に入れ、作業前には必ず機械の点検と安全確認を行う習慣をつけましょう。そして、万が一の事態が発生した際には、パニックにならず、冷静に、そして安全を最優先に行動することが何よりも大切です。

安全第一で、快適な草刈り作業を行ってください。