これで転倒リスクを減らせる!草刈機・刈払機で斜面を安全に刈るコツ
ご自宅の庭や畑、あるいは田んぼのあぜ道など、平らな場所だけでなく、斜面や傾斜地を草刈りする必要がある方も多いのではないでしょうか。斜面での作業は、平地に比べてバランスを崩しやすく、転倒や滑落のリスクが高まります。
しかし、いくつかのポイントを押さえることで、危険を回避し、安全かつ効率的に作業を進めることができます。この記事では、草刈機・刈払機を使って斜面を安全に刈るための具体的な方法と注意点を、分かりやすく解説します。
1. 作業前の準備と確認が命!
斜面での草刈りは、特に事前の準備が重要です。
天候の確認: 雨上がりなど、足元がぬかるんでいる状態での作業は絶対に避けましょう。地面が滑りやすくなり、転倒リスクが非常に高まります。
服装と装備の徹底:
滑りにくい靴: 地面をしっかりグリップできるスパイク付きの地下足袋や、滑り止めのある安全靴を着用しましょう。
ヘルメットと保護メガネ: 上から物が落ちてきたり、石や草の飛散物から身を守るために必須です。
長袖・長ズボン: 露出をなくし、肌を保護します。
肩掛けバンド: 草刈機の重量を分散し、バランスを取りやすくするために正しく装着しましょう。
障害物の確認: 作業を始める前に、斜面にある石、木の切り株、空き缶、ガラス片などの障害物がないか入念にチェックし、可能な限り取り除いておきましょう。
2. 安全で効率的な刈り方の基本
斜面での草刈りには、平地とは異なる独特の「コツ」があります。
下から上へ刈り進める: 斜面の草刈りは、必ず「下」から「上」に向かって刈り進めます。上から刈ると、刈った草が下に落ちて、まだ刈っていない草の上に重なり、作業の邪魔になったり、足元が滑りやすくなったりして危険です。
「右から左」が基本: 草刈機の刈刃は反時計回りに回転するため、右から左へ振ると、刈った草が左側にきれいに集まり、作業効率が上がります。この時、一気に大きく振るのではなく、少しずつ小刻みに刈り進めると、キックバック(刈刃が硬いものに当たって跳ね返る現象)のリスクも減らせます。
重心を低く、安定した姿勢で: バランスを保つことが一番重要です。両足を肩幅より少し広めに開いて、右足を少し前に出し、常に安定した姿勢を保ちましょう。斜面に対して体を平行に保ち、無理な姿勢で作業しないように注意してください。
往復刈りは避ける: 往復で刈ると、キックバックが起きやすくなったり、刈った草が散乱して足元が不安定になる原因になります。基本は右から左への一方向で刈り、一歩ずつ前に進みながら作業を進めましょう。
草が長い場合は「二段階」で刈る: 草の丈が50cm以上と長い場合は、一度に根元から刈ろうとせず、まずは草の上部を刈り、次に根元を刈るという二段階で作業を進めると、刈刃への負荷が減り、絡みつきも防げます。
3. 特に注意すべき点
キックバックへの意識: 刈刃の右側で硬いものに当たると、機械が跳ね返るキックバックが起こりやすくなります。これを防ぐためにも、刈刃の左側を使って刈るように意識しましょう。
斜面の角度を過信しない: 見た目では緩やかな傾斜に見えても、実際に作業を始めると足場が不安定になることがあります。傾斜角度が30度以上の急斜面での作業は、非常に危険が伴いますので、無理な作業は避けましょう。
定期的な休憩: 斜面での作業は、平地よりも体力と集中力を消耗します。疲労が転倒につながるため、こまめに休憩を取り、水分補給を行いましょう。
まとめ
草刈機は、斜面や傾斜地の草刈りを劇的に楽にしてくれる便利な道具です。しかし、その反面、使い方を誤ると大きな事故につながる可能性があります。
今回ご紹介した「下から上へ刈り進める」「右から左へ振る」「安定した姿勢を保つ」などのコツを実践し、事前の準備と安全確認を徹底することで、危険な斜面での作業も安全に行うことができます。
正しい知識と準備で、安全かつ効率的な草刈り作業を実現してください。