きらめく「大阪湾」の今と未来!豊かな自然を取り戻す取り組み


大阪湾は、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県といった近畿の広域にわたる地域から水が流れ込む、私たちの暮らしにとても身近な海です。かつては「茅渟の海(ちぬのうみ)」と呼ばれ、クロダイなどの豊かな海の幸に恵まれていましたが、高度経済成長期を経て、その環境は大きく変化しました。しかし今、この大切な海を再生するための、様々な努力が続けられています。

大阪湾ってどんな海?その特徴と環境の変化

大阪湾は、淡路島と本州に囲まれた瀬戸内海の東端に位置する、面積約1,450㎢の「閉鎖性海域」です。外海との水の交換が比較的少ないため、陸域から流れ込む物質の影響を受けやすいという特徴があります。

明治以降、大阪湾の沿岸部では、港湾や工場施設、住宅地などの開発が進み、大規模な埋め立てが行われてきました。これにより、かつて広がっていた豊かな干潟や藻場(もば)といった自然海岸が大幅に減少し、海の自浄作用が低下。昭和30年代から40年代にかけては、産業排水や生活排水の流入によって水質汚濁が進行し、赤潮が頻繁に発生するなど、厳しい状況にありました。

努力が実を結ぶ!少しずつ改善する水質

しかし、そんな大阪湾も、人々のたゆまぬ努力によって少しずつ環境が改善されつつあります。下水道の整備が進み、工場や事業所からの排水規制が強化されたことで、以前に比べて水質は良くなってきています。特に、有機物による汚濁の指標である化学的酸素要求量(COD)は、過去に比べると改善傾向にあります。

これは、行政の取り組みだけでなく、地域住民やNPO、企業などが連携し、「大阪湾再生行動計画」のような目標を掲げて、具体的な活動を続けている成果と言えるでしょう。

豊かな海の再生を目指して!様々な取り組み

大阪湾の再生に向けた取り組みは多岐にわたります。

  • 陸域からの負荷削減: 下水道の普及をさらに進めたり、河川をきれいにしたりすることで、海に流れ込むゴミや汚れた水を減らす努力が続けられています。
  • 海域での環境改善: 埋め立てによって失われた干潟や藻場は、海の生き物にとって大切な「ゆりかご」であり、水をきれいにする役割も持っています。そのため、アマモ(海草)を移植したり、人工的な干潟を整備したりして、これら生態系の再生・創出が進められています。
  • 海底ゴミ・漂着ゴミの削減: 海底に沈んだゴミや、海岸に流れ着くゴミの回収活動も、定期的に行われています。
  • 市民参加のモニタリング: 「大阪湾生き物一斉調査」のように、市民が海辺の生き物や水質を調べ、現状を把握する取り組みも活発に行われています。

これらの取り組みは、大阪湾を「多様な生物が生息・生育する場」として再生し、「人と海との関わり」を取り戻すことを目指しています。

まとめ:未来へつなぐ、きらめく大阪湾

大阪湾は、大都市のすぐそばにありながら、少しずつではありますが、本来の豊かな姿を取り戻しつつあります。かつての「茅渟の海」のように、生き物たちがのびのびと暮らし、人々が親しみ、誇りに思える海を取り戻すため、これからも様々な努力が続けられることでしょう。私たちも、大阪湾の環境に目を向け、できることから参加していくことが、未来へこの美しい海をつないでいくために大切です。

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