心に寄り添う香典返し｜知っておきたい「半返し」の基本と具体的な相場
大切な方を亡くされた悲しみの中、弔問に訪れてくださった方々へ感謝の気持ちを伝える香典返し。
「いくらくらいの品物を贈ればいいの？」「いただいた金額の半分って本当？」といった疑問をお持ちではありませんか？
この記事では、香典返しの基本的な考え方である**「半返し」**や具体的な相場、さらには関係性や状況に応じた対応方法まで、分かりやすく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、香典返しの金額の目安が分かり、自信を持って品物選びができるようになりますよ。
香典返しの基本原則：「半返し」と「3分の1返し」とは？
香典返しの相場を知る上で、まず覚えておきたいのが「半返し」と「3分の1返し」という考え方です。
これらは、いただいた香典の金額に対して、どのくらいの割合で品物を返すかという目安になります。
「半返し」とは？
半返しは、いただいた香典の半分を目安に返礼品を贈るという、最も一般的な考え方です。例えば、1万円の香典をいただいた場合は、5,000円程度の品物を贈るのが基本となります。
この慣習は、香典が故人を悼む気持ちであると同時に、葬儀にかかる費用の一部を分かち合うという意味合いを持つことから、その半分を返礼することで、いただいたお気持ちへの感謝を示すという背景があります。
「3分の1返し」とは？
一方で、3分の1返しという考え方もあります。これは、いただいた香典の3分の1を目安に返礼品を贈る方法です。主に以下のようなケースで適用されることがあります。
高額な香典をいただいた場合
一家の大黒柱が亡くなり、遺族が生活を立て直すための費用として香典をいただいた場合
このように、香典が遺族の生活を助けるという意味合いが強い場合には、全額を返さず、厚意に甘える形として3分の1の返礼とすることがあります。
【関係性別】香典返しの具体的な相場
では、実際にどのような関係の方に、いくらくらいの香典返しをすれば良いのでしょうか。ここでは、関係性別に具体的な金額の目安をご紹介します。
友人・知人からの香典
友人や知人からいただく香典は、一般的に5,000円〜10,000円程度が多いでしょう。この場合、半返しが基本となります。
5,000円の香典：2,500円程度の品物
10,000円の香典：5,000円程度の品物
会社関係（上司・同僚）からの香典
会社関係の方からの香典は、個人からと連名からで対応が異なります。
個人から：
上司や同僚から個人で香典をいただいた場合は、友人・知人と同じく半返しで対応します。
連名で：
複数名から連名でいただいた場合は、一人ひとりの金額が少額であることが多いため、個別にお返しするのではなく、皆さんで分けられるお菓子などをまとめてお渡しするケースが多く見られます。金額に悩む場合は、職場の慣例を確認してみるのも良いでしょう。
親族（両親・兄弟姉妹）からの香典
親族、特に両親や兄弟、姉妹からの香典は、ご厚意として多めにいただくことがあります。
「遺族の力になりたい」という気持ちが込められているため、半返しにこだわらず、感謝の気持ちを伝えることを第一に考えましょう。高額な香典をいただいた場合は、3分の1返しや、場合によっては返礼品を贈らないという選択肢もあります。
当日返しと後日返しの相場の違い
香典返しには、葬儀当日に返礼品を渡す「当日返し」と、後日あらためてお渡しする「後日返し」があります。
当日返しの相場
当日返しは、香典の金額に関わらず、一律で2,000円〜3,000円程度の品物をお渡しするケースが一般的です。参列者の人数が多い場合や、後日の手間を省きたい場合に選ばれることが多い方法です。
後日返しの相場
後日返しは、香典の金額を確認してから品物を選べるため、一人ひとりの香典の金額に合わせた対応が可能です。
当日返しで一律の品物をお渡しした方で、高額な香典をいただいた方には、後日、追加の品物を贈ることがあります。この追加分と当日返しの合計額が、半返しや3分の1返しの目安になるように調整しましょう。
高額な香典をいただいた場合の対応
3万円、5万円、10万円といった高額な香典をいただいた場合、半返しをするとかなりの高額になってしまいますよね。
このような場合は、**「ご厚意に甘える」**という考え方が大切です。
いただいたお気持ちは、故人や遺族を想う、温かい心遣いです。無理に半返しをしようとせず、3分の1返しを目安に、感謝の気持ちを込めた品物を選びましょう。
また、先述の通り、親族からの香典には返礼品を贈らないという選択肢もあります。これは、お互いに「お返しは不要」という暗黙の了解があるためです。迷った場合は、事前に親族間で相談しておくことをおすすめします。
まとめ：相場を参考に、感謝の気持ちを伝える
この記事では、香典返しの相場や「半返し」の考え方について解説してきました。
大切なのは、金額に縛られすぎず、感謝の気持ちを伝えることです。相場はあくまで目安として、いただいた香典に込められたお気持ちを汲み取り、無理のない範囲で返礼品を選びましょう。
地域や親族に特有の慣習がある場合もあるため、迷った際は、葬儀社や専門のギフトショップに相談してみるのも良いでしょう。