故人の賃貸住宅：解約手続きと敷金精算の進め方ガイド

「大切な人が住んでいた賃貸住宅を、どうやって解約すればいいんだろう…」

「敷金って、誰が受け取るの？」

ご家族が亡くなられた後、住んでいた賃貸住宅の解約手続きは、多くの人にとって初めての経験です。心身ともに大変な時期に、複雑な手続きを一人で進めるのは大きな負担になります。

この記事では、故人が賃貸住宅に住んでいた場合の、解約手続きから敷金精算までの流れを分かりやすく解説します。

1. 賃貸借契約の確認と連絡

まずは、故人が生前に結んでいた賃貸借契約の内容を確認することが第一歩です。

賃貸借契約書を探す: 契約書には、貸主（大家さんや管理会社）の連絡先、解約予告期間、敷金の扱いなどが記載されています。
大家さん・管理会社への連絡: 契約書に記載されている連絡先に、故人が亡くなられたことを伝えます。この際、口頭で伝えるだけでなく、後日書面でも通知するとより確実です。
解約予告期間の確認: 一般的に、賃貸借契約では「解約の1ヶ月前までに通知」などの解約予告期間が定められています。この期間を過ぎると、その分の家賃を支払わなければならない可能性があります。

故人の賃貸住宅を解約する際は、部屋の中をすべて整理し、元の状態に戻す必要があります。

敷金は、賃貸契約を結ぶ際に貸主に預けているお金です。退去時に、原状回復費用や未払い家賃などが差し引かれ、残金が返金されます。

敷金は誰が受け取る？:
- 故人が賃貸借契約の借主だった場合、敷金返還請求権は相続財産とみなされます。
- そのため、故人の法定相続人全員が、敷金を受け取る権利を持ちます。
精算方法:
- 大家さんや管理会社から、原状回復費用の内訳や、敷金から差し引かれる金額についての明細が送られてきます。
- 内容に問題がなければ、残金が指定の口座に振り込まれます。もし不審な点があれば、すぐに支払わず、詳細を確認しましょう。
遺産分割協議書:
- 複数の相続人がいる場合、敷金の受け取りを誰が行うか、事前に話し合っておく必要があります。
- 遺産分割協議書を作成しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。

連帯保証人の責任: 故人が賃貸借契約の連帯保証人を立てていた場合、故人が亡くなられた後も、家賃の支払い義務が残る可能性があります。故人の連帯保証人にも、速やかに状況を連絡しましょう。
賃料の支払い: 解約通知後も、明け渡しの完了までは賃料が発生します。支払いが滞らないよう注意しましょう。

故人の賃貸住宅の解約と敷金精算は、心身ともに大変な時期に直面する重要な手続きです。

まずは賃貸借契約書を確認し、大家さんや管理会社に早めに連絡することが大切です。この記事を参考に、一つひとつの手続きを落ち着いて進めてくださいね。