葬儀の挨拶、親族代表として失敗しない!心温まる例文と話すコツ
葬儀という悲しい場で、突然「親族を代表して挨拶をお願いします」と言われ、頭が真っ白になってしまった…そんな経験、ありませんか?
大切な方を偲ぶ最後の時間。故人との思い出を語り、参列してくださった方々へ感謝を伝えることは、とても大切なことです。でも、いざとなると何を話せばいいのか、どんな風に伝えれば良いのか迷ってしまいますよね。
この記事では、葬儀の挨拶で親族代表として話すことになったあなたへ、心に響く挨拶の作り方と、すぐに使える例文をご紹介します。通夜、告別式、そして故人との関係性(父、母、祖父など)に合わせた例文もご用意しました。これを読めば、きっと自信を持って挨拶ができるようになりますよ。
葬儀の挨拶、誰がする?役割とタイミング
「親族代表の挨拶」と聞くと、故人の配偶者や長男が務めるもの、というイメージがあるかもしれません。もちろんそれが一般的ですが、故人との関係性や、ご家族の状況に合わせて、様々な方が挨拶をすることができます。
たとえば、次のようなケースもあります。
長男・長女:故人のお子様が務める最も一般的なケースです。
故人の配偶者:連れ合いとして、参列者へ感謝を述べます。
孫:おじいさま、おばあさまの思い出を語る場合は、孫が挨拶をすることもあります。
代理:本来挨拶をする方が体調不良などの場合、他の親族が代理で務めます。
挨拶をするタイミングは、主に通夜振る舞いの前や告別式の閉式直前です。最近では、告別式の閉式直前に「喪主による謝辞」として行われることが増えています。
挨拶で失敗しないための3つのコツ
挨拶の例文を見る前に、まずは心構えとして知っておいてほしい大切なコツを3つご紹介します。
1. 簡潔にまとめる
悲しみの中での挨拶は、長くなりすぎると、聞いている方も辛くなってしまうことがあります。挨拶の時間は2分から3分程度が目安です。
2. 事前に準備しておく
急なことでも、挨拶の依頼があったらメモに話したいことを書いておきましょう。故人とのエピソードは、たくさんある中からひとつかふたつに絞り込むと、話がまとまりやすくなります。
3. 故人への想いを込める
例文をそのまま読むのではなく、故人の人柄が伝わるようなエピソードを少しだけ付け加えることで、ぐっと心に響く挨拶になります。
たとえば、
「父はいつも笑顔で、誰にでも優しく接する人でした」
「母が作ってくれた、あの美味しいお味噌汁の味が忘れられません」
といったように、具体的な思い出を語ることで、参列者も故人を身近に感じることができます。
【場面別・関係性別】心温まる葬儀の挨拶例文集
それでは、具体的な例文を見ていきましょう。ご自身の状況に合わせて、アレンジして使ってみてくださいね。
【基本編】通夜・告別式での挨拶例文
通夜での挨拶(参列者へのお礼を簡潔に)
「本日はお忙しい中、〇〇(故人の名前)の通夜にご会葬いただき、誠にありがとうございます。生前はひとかたならぬご厚情を賜りましたこと、心よりお礼申し上げます。皆様に温かく見守っていただき、故人もさぞ喜んでいることと存じます。ささやかではございますが、心ばかりのお食事をご用意いたしました。どうぞ、故人の思い出話などお聞かせいただければ幸いです。本日は本当にありがとうございました。」
告別式での挨拶(故人への感謝と謝辞を丁寧に)
「皆様、本日は〇〇(故人の名前)のために、ご多用の中、遠方よりお運びいただき、誠にありがとうございます。生前は皆様に大変お世話になり、心より感謝申し上げます。故人は皆様との出会いを宝物のように大切にしておりました。皆様からいただきました温かいお言葉を胸に、安らかに旅立ってくれることと存じます。残されました私ども家族も、故人の教えを守り、支え合って生きていきたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。本日は本当にありがとうございました。」
【関係性別】故人との関係に合わせた例文
故人が「父」の場合の挨拶
「本日は、父〇〇の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。父は私たちにとって、いつも頼りになる、大きな存在でした。仕事に厳しく、時には頑固な一面もありましたが、心根はとても優しく、私たちのことを一番に考えてくれる人でした。皆様から温かいお言葉をいただき、改めて父がどれほど多くの方々に愛されていたかを感じております。皆様の温かいご厚情に感謝申し上げます。」
故人が「母」の場合の挨拶
「本日は、母〇〇の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。母は、いつも明るく、家族のムードメーカーでした。どんな時も前向きに、笑顔を絶やさず、私たちを支え続けてくれました。母が最期まで強く生きてくれたのも、皆様の温かい励ましがあったからこそと存じます。母の分まで、私たちが力を合わせて生きていきたいと思っております。本日は誠にありがとうございました。」
故人が「祖父(祖母)」の場合の挨拶
「本日は、祖父〇〇の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。祖父は、いつも孫である私たちを可愛がり、時には人生の先輩として、温かく見守ってくれました。祖父が教えてくれた『感謝の気持ちを忘れてはいけない』という言葉を胸に、これからも精進していきたいと思います。皆様からいただきましたご厚情に、心より感謝申し上げます。」
【補足】家族葬の場合の挨拶
最近増えている家族葬では、一般の参列者への挨拶は必要ありませんが、親族や故人のごく親しい友人などへは、感謝の気持ちを伝えます。形式ばらず、故人との思い出を語り合うような、心温まる挨拶が好まれます。
家族葬での挨拶例文
「本日は〇〇(故人の名前)の家族葬にご参列いただき、ありがとうございます。故人の生前はひとかたならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。最期は私たち家族だけで静かに見送りたいという故人の願いもあり、このような形をとらせていただきました。皆様から温かいお言葉をいただき、故人も安らかに旅立てることと存じます。本日は本当にありがとうございました。」
まとめ
葬儀の挨拶は、心臓がドキドキしてしまいますが、完璧な挨拶でなくても大丈夫です。大切なのは、故人への想いと、参列してくださった方々への感謝の気持ちを、ご自身の言葉で伝えることです。
この記事でご紹介した例文やコツが、少しでもあなたの不安を和らげ、故人との最後のお別れの時間を、心穏やかに過ごすお手伝いになれば幸いです。