故人を偲ぶ気持ちを大切に。心を込めた香典返しのマナーと選び方
ご葬儀を終え、ほっと一息ついたものの、「次は香典返しをどうしよう…」と、戸惑っていませんか?
慣れないことだけに、「何から始めればいいの?」「マナーはこれで合ってる?」と、不安になりますよね。香典返しは、故人のために足を運んでくださった方々への感謝の気持ちを伝える、大切な機会です。この記事では、そんなお悩みを解決するために、香典返しの基本マナーから、相手に心から喜ばれる選び方まで、分かりやすくご紹介します。
香典返し、まず知っておきたい「基本のき」
香典返しを考える上で、まず押さえておきたいのが、贈る時期と相場です。この二つさえ押さえておけば、マナー違反になる心配はありません。
贈る時期はいつ?
一般的に、香典返しは忌明け(四十九日法要後)に行うのが基本です。これは、仏教の考え方で、故人がこの世の迷いを離れ、仏様になるまでの期間を「忌中」とし、四十九日をもって忌明けとするためです。神式やキリスト教式では、また異なるタイミングとなりますので注意が必要です。
しかし、最近ではご葬儀当日にお返しする「当日返し(即日返し)」も増えてきました。この方法だと、後で改めて品物を送る手間が省けて、ご遺族の負担が軽くなるというメリットがあります。
香典返しを贈るタイミング
忌明け(四十九日法要後):丁寧な方法とされます。
当日返し(即日返し):手軽で、最近増えている方法です。
どちらを選んでも失礼にはあたりません。ご自身の状況に合わせて選ぶと良いでしょう。
香典返しの相場はいくら?
香典返しは、いただいた香典の金額の3分の1から半額、いわゆる「半返し」が目安とされています。例えば、1万円の香典をいただいた場合は、3,000円〜5,000円程度の品物をお返しするのが一般的です。
ただし、一家の働き手である夫を亡くした妻など、一家の大黒柱を失った場合などは、この限りではありません。無理をしてまで半返しにこだわる必要はなく、感謝の気持ちを伝えることが一番大切です。
【知っておきたい】香典返しを辞退されたら?
「お気持ちだけいただきます」と、香典返しを辞退されることもあります。その場合は、無理に品物を贈る必要はありません。感謝の気持ちを込めたお礼状だけを送ると、より丁寧な印象になります。
香典返しで本当に喜ばれる「品物」の選び方
香典返しで贈る品物には、「不祝儀を残さない」という意味合いから、消えもの(使ったらなくなるもの)を選ぶのが良いとされています。具体的には、以下のようなものがおすすめです。
定番の品物
お茶やコーヒー:毎日飲んでもらえる定番の品です。
お菓子や食べ物:日持ちするものや、個包装になっているものが喜ばれます。
洗剤や石鹸:日常生活で必ず使うものなので、どなたにも喜ばれます。
カタログギフトで「選ぶ楽しさ」を贈る
「何を贈ればいいか迷う…」「相手の好みが分からない」という方には、カタログギフトが断然おすすめです。カタログギフトなら、受け取った方が好きなものを選べるので、「いらないものを贈ってしまった…」という心配がありません。
【オリジナルアイデア】
カタログギフトを選ぶ際は、内容をしっかりチェックしてみましょう。最近は、グルメに特化したもの、雑貨がおしゃれなもの、体験型ギフトが充実しているものなど、様々な種類があります。故人が好きだったものや、思い出の品にちなんだカタログギフトを選ぶのも、感謝の気持ちが伝わる素敵なアイデアです。
会社関係や法人への香典返し
会社の方々から連名でいただいた場合や、法人として香典をいただいた場合は、個別にお返しするのではなく、皆で分けられるお菓子やコーヒーなどがおすすめです。
意外と忘れがち!香典返しの「のし」と「お礼状」
品物を選んだら、最後に「のし」と「お礼状」の準備です。これがマナーの仕上げとなります。
「のし」の書き方
香典返しののしは、黒白の結び切りを選びます。表書きには「志」または「満中陰志」と書くのが一般的です。
お礼状は品物に添えて
品物だけではなく、お礼状を添えると、より丁寧で感謝の気持ちが伝わります。お礼状には、ご葬儀に参列していただいたことへの感謝、そして無事に忌明けを迎えたことのご報告などを綴ります。
【お礼状の文例】
「この度は、亡〇〇儀ご葬儀に際しまして、ご鄭重なる御香典を賜り、厚く御礼申し上げます。おかげさまで、四十九日の法要を滞りなく相営みました。つきましては、供養のしるしとして心ばかりの品をお送りいたしましたので、ご受納いただければ幸いです。書中をもって恐縮ではございますが、まずはご挨拶とさせていただきます。」
手書きで一言添えると、さらに温かい気持ちが伝わりますよ。
まとめ:感謝の気持ちを伝えることが何より大切
香典返しは、故人を偲び、参列してくださった方々への感謝の気持ちを伝える大切なものです。マナーや相場はもちろん大切ですが、一番重要なのは、心を込めてお返しを選ぶこと。
「どうしたら相手に喜んでもらえるかな?」と考えるその気持ちこそが、故人への最大の供養となり、相手にもきっと伝わるはずです。この記事が、少しでもあなたのお役に立てば幸いです。