自分でできる!遺産分割協議書の書き方とテンプレート【記入例つき】
大切な家族を亡くされた後、相続の手続きを進める中で、「遺産分割協議書」という言葉を初めて耳にした方も多いのではないでしょうか。
「遺産分割協議書って、何?」「どうやって書けばいいの?」「誰が作るの?」
そんな疑問や不安を抱えている方のために、この記事では遺産分割協議書の書き方から、今すぐ使えるテンプレート、そして記入例まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。専門家に頼まず、自分で作成したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1.遺産分割協議書とは?なぜ必要なの?
遺産分割協議書とは、亡くなった方(被相続人)の財産(遺産)を、相続人全員でどのように分けるかを話し合い、その内容をまとめた書類のことです。
たとえ口頭で合意していても、この書類がなければ、不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の払い戻しなど、その後の相続手続きを進めることができません。遺産分割協議書は、相続手続きにおいて非常に重要な役割を果たします。
2.遺産分割協議書を作成する前に確認すべきこと
いきなり書き始めるのではなく、まずは以下の3つのステップを踏みましょう。
相続人の確定: 亡くなった方の戸籍謄本などを取得し、法定相続人が誰なのかをすべて洗い出します。
相続財産の調査: 不動産、預貯金、株式などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もすべてリストアップします。
遺産分割の話し合い(協議): 相続人全員で、財産をどう分けるかを話し合います。全員が合意することが必要です。
3.【テンプレートあり】遺産分割協議書の書き方と記入例
遺産分割協議書に決まったひな形はありませんが、法律で定められた項目を正確に記載する必要があります。以下に記載すべき主な項目と、すぐに使えるテンプレートをご紹介します。
テンプレートのポイント
被相続人の情報: 氏名、最後の住所、生年月日、死亡年月日を正確に記載します。
相続人全員の記載: 協議に参加した相続人全員の氏名、住所を記載します。
相続財産の詳細: どの財産を、誰が、どれだけ相続するのかを具体的に記載します。土地や建物などの不動産は、登記簿謄本に記載されている情報を正確に書き写しましょう。
作成年月日と署名・捺印: 協議書を作成した日付を記載し、相続人全員が自筆で署名し、実印を捺印します。
印鑑証明書の添付: 協議書に押した実印が本物であることを証明するため、印鑑証明書を添付します。
4.遺産分割協議書を作成する際の注意点
全員の合意が必要: 一人でも合意しない相続人がいる場合、その遺産分割協議書は無効となります。
実印と印鑑証明書: 必ず相続人全員の実印を捺印し、その印鑑証明書を添付します。
追記や修正: 記載内容を修正したい場合は、訂正印を押して追記します。後から勝手に追記したり書き換えたりすると、トラブルの原因になります。
トラブルを避けるために: 銀行の預金や不動産など、手続きごとに必要書類が異なる場合があります。事前に各機関に確認しておくとスムーズです。
作成時期: 相続税の申告が必要な場合、期限に間に合うように作成時期を逆算して準備しましょう。
5.専門家に相談すべきケース
「話し合いがまとまらない」「相続人が行方不明」「相続財産が複雑」など、少しでも不安を感じたら、相続に詳しい弁護士や司法書士といった専門家に相談することを検討しましょう。専門家のサポートを受けることで、法的に無効な書類を作成してしまうリスクを避けられます。
まとめ:正確な遺産分割協議書で、円滑な相続手続きを
遺産分割協議書は、故人の思いと相続人同士の合意を形にする大切な書類です。
この記事でご紹介した書き方やテンプレートを活用し、必要書類をきちんと揃えることで、その後の相続手続きをスムーズに進めることができます。
ご自身のケースに合わせて、一つひとつ確実に手続きを進めていってください。