感謝の気持ちを伝える「香典返し」の選び方。マナーからおすすめの品まで
大切な方を亡くされた後、お通夜や葬儀に参列してくださった方々からいただくお香典。そのお気持ちに感謝を伝えるため、香典返しという形でご挨拶をします。
でも、「どんなものを選べばいいの？」「相場はどのくらい？」「マナーは？」など、たくさんの疑問が浮かんでくるかもしれません。今回は、そんな香典返しの選び方について、知っておきたいポイントやおすすめの品をわかりやすく解説します。
1. 香典返しの基本マナーを押さえよう
まずは、失礼のないように基本のマナーを確認しておきましょう。
香典返しの「相場」はいくら？
香典返しの相場は、いただいたお香典の3分の1〜半額程度が一般的です。これを「半返し」と呼びます。例えば、5,000円のお香典をいただいた場合は、1,500円〜2,500円程度の品物を贈るのが目安となります。
ただし、高額な香典をいただいた場合、必ずしも半返しにする必要はありません。高額な金額をくださった方へは、感謝の気持ちを伝えることが一番大切ですので、無理のない範囲で心を込めてお返しをしましょう。
贈る「時期」はいつ？
香典返しを贈る時期は、仏式では四十九日（しじゅうくにち）の法要後から1ヶ月以内が一般的です。これは「満中陰志（まんちゅういんし）」と呼ばれ、故人が旅立った日から四十九日間の忌明けを迎えたことを報告する意味合いがあります。
神道では五十日祭の後、キリスト教では1ヶ月後の召天記念日や追悼ミサの後が目安となります。宗教によって少し時期が異なるため、確認しておきましょう。
「のし（掛け紙）」の書き方
香典返しには、水引が結び切りの「のし（掛け紙）」を使います。
表書き：
仏式：志（こころざし）
神道：偲草（しのびぐさ）
キリスト教：偲草、またはお花料
地域や宗派によって異なる場合もあるので、確認すると安心です。
名前：喪主の名字、または「〇〇家」と書きます。
2. 失敗しない！香典返しの選び方
香典返しには、「不祝儀を後に残さない」という意味から、使ってなくなるものや、形として残らないものが良いとされています。具体的なおすすめの品をご紹介します。
定番の品物
お茶、コーヒー、紅茶
日持ちがして、誰にでも喜ばれる定番品です。お茶は故人を偲ぶ意味合いも含まれます。
お菓子、スイーツ
個包装で配りやすく、日持ちがするものが人気です。スイーツは、最近の香典返しとしても選ばれています。
タオル、洗剤
タオルは「不幸を拭い去る」、洗剤は「不浄を清める」という意味合いがあるとされ、香典返しに適しています。
カタログギフトは便利でおすすめ
「相手の好みがわからない」「何を贈ればいいか迷う」という方には、カタログギフトが便利です。相手が好きなものを選べるので、喜ばれやすく、贈る側も手間がかかりません。高額な香典への香典返しとしても人気があります。
3. 関係性別のおすすめ
贈る相手との関係性によって、品物を選ぶのも一つの方法です。
親族へのお返し
親族の中には、香典返しを不要とする方もいらっしゃいます。その場合は、無理にお返しをする必要はありません。代わりに、法事や食事会に招いて感謝を伝えるのも良いでしょう。
もしお返しをするのであれば、定番の品や、少し上質なお菓子などがおすすめです。
会社関係・上司へのお返し
会社関係の方や上司へは、個包装になっていて職場で配りやすいお菓子やスイーツ、洗剤などが良いでしょう。カタログギフトもスマートな選択肢です。
4. 知っておきたい！当日返しと後返し
香典返しの方法には、大きく分けて2種類あります。
当日返し
お通夜や葬儀の受付で、その場でお渡しする方法です。当日返しの相場は、2,000円〜3,000円程度の品物が多いです。当日返しをしても、いただいた金額がそれ以上だった場合は、後日改めてお返しを贈るのがマナーです。
後返し
四十九日後にお返しを贈る、最も一般的な方法です。この方法であれば、お香典の金額に合わせて品物を選べるため、失礼なくお返しができます。
5. よくある質問
香典返し「いらない」と言われたらどうする？
相手の気持ちを尊重し、無理にお返しをしないのがマナーです。感謝の気持ちを言葉で伝えるだけで十分です。
高額な香典へのお返しは？
高額な香典をいただいた場合は、無理に半返しにする必要はありません。お礼状を添えて、カタログギフトや上質な食品などを贈るのが一般的です。
香典返しは、故人を偲び、参列してくださった方々への感謝の気持ちを伝える大切な機会です。この記事が、心を込めてお返しを選ぶお手伝いになれば幸いです。