故人の確定申告(準確定申告)のやり方:大切な人が亡くなった後の手続きガイド
大切なご家族が亡くなられた後、やらなければならない手続きの一つに**「準確定申告(じゅんかくていしんこく)」**があります。
準確定申告とは、亡くなられた方の所得税を計算し、申告・納税する手続きのことです。通常の確定申告とは異なり、期限が短いため、戸惑う方も少なくありません。
この記事では、準確定申告の基礎知識から、必要な書類や提出方法まで、分かりやすく解説します。
1. 準確定申告とは?なぜ必要なの?
準確定申告とは、亡くなられた年の1月1日から亡くなられた日までの所得を計算して行う確定申告のことです。
通常の確定申告は、その年の所得を翌年の2月16日から3月15日に行いますが、準確定申告は、故人の代わりに相続人が行う必要があります。
準確定申告が必要なケース
故人が自営業者や年金受給者などで、生前に確定申告が必要だった場合
故人が不動産所得や事業所得など、給与以外の所得を得ていた場合
故人の給与所得が2,000万円を超えていた場合
故人が2箇所以上から給与を受け取っていた場合
2. 準確定申告の期限
準確定申告の最も重要なポイントは、その提出期限です。
提出期限:相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内
通常の確定申告より期間が短いため、速やかに準備を進める必要があります。複数の相続人がいる場合は、全員が共同で申告するか、それぞれが申告することも可能です。
3. 準確定申告に必要な書類
準確定申告をスムーズに進めるために、以下の書類を準備しておきましょう。
必ず用意するもの
準確定申告書: 税務署や国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
故人の死亡診断書(写し)
相続人の氏名、住所、続柄が確認できる書類(戸籍謄本など)
故人の所得に応じた書類
給与所得者: 源泉徴収票
事業所得者: 収支内訳書
年金受給者: 公的年金等の源泉徴収票
医療費控除を受ける場合: 故人や相続人の医療費の領収書、医療費控除の明細書
その他: 生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書など
4. 準確定申告のやり方
1. 故人の所得を計算する
まずは、故人が亡くなられた日までに得た所得の総額を計算します。給与、年金、事業所得など、全ての所得を漏れなく確認しましょう。
2. 所得控除を計算する
社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除など、所得から差し引ける控除額を計算します。医療費控除は、故人の生前の医療費だけでなく、亡くなられた後に支払ったものも対象になる場合があります。
3. 税額を計算し、申告書を作成する
所得から所得控除を差し引いて、所得税の金額を計算します。国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の指示に従って入力するだけで簡単に作成できます。
4. 納税・提出する
準確定申告書と必要書類を、故人の死亡時の住所地を管轄する税務署に提出します。納税が必要な場合は、振替納税や金融機関での支払いなどで納めます。
まとめ
準確定申告は、大切な人を亡くされた直後に対応しなければならない、とてもデリケートな手続きです。
複雑な場合は、税理士に相談することも一つの選択肢です。この記事を参考に、少しでも負担を減らし、落ち着いて手続きを進めてください。