終活の第一歩！「葬儀の生前契約」でおひとりさまも家族も安心できる5つのメリット
「終活」という言葉がすっかり身近になりましたね。自分の人生の最期を自分らしく締めくくるために、何をすべきか考え始める方も増えています。中でも特に重要なのが、葬儀の準備です。でも、「いざという時にどうすればいいの？」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが、葬儀の生前契約です。これは、生きている間に葬儀の内容や費用を葬儀社と決めておくこと。なんだか少し気が引ける…と感じるかもしれませんが、実は生前契約は自分だけでなく、大切な家族や周りの人たちを安心させるための、とても前向きな選択肢なんです。
この記事では、おひとりさまはもちろん、家族がいる方にも知ってほしい、葬儀の生前契約がもたらすメリットや、知っておきたいポイントを分かりやすくお伝えします。
そもそも「葬儀の生前契約」ってどんなもの？
葬儀の生前契約とは、その名の通り、ご自身の生前に葬儀社と葬儀の内容、費用、支払い方法などを具体的に取り決めておくことです。生前予約や生前準備と呼ばれることもあります。
「亡くなった後、家族にすべて任せればいいのでは？」と思うかもしれません。しかし、残された家族は悲しみの中で、慌ただしくさまざまな手続きや手配をしなければなりません。そんな時、本人の意思が事前に明確になっていれば、どれだけ安心できるでしょうか。生前契約は、こうしたご遺族の負担を減らすための、いわば「愛のバトン」のような役割を果たします。
葬儀の生前契約がおひとりさまも家族も安心できる5つのメリット
では、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか？おひとりさまであっても、ご家族がいても共通する、大きな5つのメリットを見ていきましょう。
1. 家族への金銭的・精神的負担を大きく減らせる
急な出来事で一番困るのが、費用のことです。葬儀にはまとまった費用が必要になり、残された家族が急な出費に戸惑うことも少なくありません。生前契約で費用の総額を事前準備しておけば、家族がお金の心配をせずに、故人との最後の時間を大切に過ごせます。また、葬儀の内容が決まっていることで、「どんな葬儀にすればいいんだろう…」と悩む精神的な負担も軽減できます。
2. 自分の意思を反映した葬儀が実現できる
「こんなお葬式にしてほしい」「この曲を流してほしい」など、自分の最期のカタチにこだわりたい方もいるでしょう。生前契約なら、自分の希望を詳細に伝え、それを確実に反映させることができます。家族が「故人はどんなお葬式を望んでいたのだろう」と想像するのではなく、本人の意思を尊重した葬儀を執り行うことができるのです。
3. 万が一の際も、慌てずに手続きが進む
もしもの時、遺族は葬儀社選びから始めなければなりません。生前契約を結んでいれば、すでに依頼先が決まっているので、焦ることなくスムーズに葬儀の手続きを進められます。ご遺族は、大切な人を亡くした悲しみと向き合う時間を、より多く持てるようになるのです。
4. 費用の総額を事前に把握・準備できる
葬儀の費用はプランや内容によって大きく変動します。生前契約を結べば、見積もりを事前に確認し、納得した上で契約できます。不透明だった費用が明確になるだけでなく、支払い方法も計画的に準備できるため、将来の資金計画が立てやすくなります。これは、費用の事前準備としてとても有効な手段です。
5. おひとりさまや身寄りのない方も心から安心できる
「もし自分に何かあったら、どうなるんだろう…」と不安を抱えているおひとりさまや、身寄りのない方にとって、生前契約は特に大きな安心材料です。あらかじめ自分の葬儀をどうするか決めておくことで、不安を解消し、心穏やかに日々を過ごすことができます。
知っておきたいデメリットと注意点
ここまでメリットをお伝えしましたが、葬儀の生前契約にも注意すべき点がいくつかあります。
契約内容の変更や解約：契約後、心変わりや状況の変化で内容を変更したくなることもあるでしょう。契約前に、変更や解約が可能か、またその際の費用についても確認しておきましょう。
葬儀社の倒産リスク：契約した葬儀社が倒産してしまうリスクもゼロではありません。特に長期にわたる契約の場合、費用をどう管理しているか（信託保全など）を事前に確認しておくことが大切です。
契約対象範囲：葬儀費用だけでなく、死後事務委任契約など、さまざまな手続きをセットで考えている場合は、契約の範囲がどこまでかを明確に確認しておきましょう。
メリットばかりでなく、こうした注意点も踏まえた上で、慎重に検討することが大切です。
生前契約とエンディングノート、死後事務委任契約の違い
生前契約の検討を進める中で、エンディングノートや死後事務委任契約といった言葉もよく耳にすると思います。これらはどう違うのでしょうか？
エンディングノート：これは法的な効力を持たない、ご自身の意思や希望を書き留めるためのものです。「財産の情報」「連絡先」「葬儀の希望」などを自由に書き残すことができます。生前契約を考える上で、まずはエンディングノートで自分の考えを整理することから始めるのがおすすめです。
死後事務委任契約：これは、ご逝去後のさまざまな手続き（役所への届け出、家財の整理、葬儀の段取りなど）を特定の誰かに任せるための、法的な効力を持つ契約です。生前契約と併せて検討されることが多く、特におひとりさまにとっては重要な選択肢となります。
信頼できる葬儀社の選び方
いざ葬儀の生前契約を考えた時、どの葬儀社に頼めばいいか迷いますよね。後悔しないために、以下のポイントを押さえておきましょう。
複数の葬儀社から見積もりを取る：複数の葬儀社に相談し、費用やサービス内容を比較検討しましょう。
担当者の対応：親身になって相談に乗ってくれるか、質問に丁寧に答えてくれるかなど、担当者の人柄も重要な判断基準です。
契約内容の明確さ：契約内容や費用の内訳が分かりやすいか、不明瞭な点がないかを確認しましょう。
まとめ：安心して最期を迎えるために今できること
「葬儀」という言葉は、つい先延ばしにしてしまいがちです。しかし、葬儀の生前契約は、もしもの時の家族の負担を減らし、ご自身の最期を自分らしく整えるための、とても前向きで優しい選択です。
「まだ早いかな？」と思う方もいるかもしれません。でも、ご自身の最期について考えることは、これからの人生をどう生きるかを考えることでもあります。まずはエンディングノートを書いてみたり、信頼できる葬儀社に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。