「あれ？左脇の下がズキン！」女性が知っておきたい原因と安心のための知識
急に左の脇の下がズキンと痛むと、「何か悪い病気なのかな？」って不安になりますよね。特に女性の場合、乳房に近い場所なので心配になることも多いと思います。でも、ご安心ください。脇の下の痛みには、実はたくさんの原因があり、そのほとんどは深刻なものではありません。
この記事では、女性が経験しやすい左脇の下のズキンとした痛みの原因から、考えられる病気、そして「こんな時は病院へ！」という目安まで、分かりやすく解説していきます。あなたの不安を少しでも和らげ、適切な行動をとるためのお手伝いができれば嬉しいです。
なぜ？左脇の下がズキンと痛む、身近な原因
左の脇の下の痛みは、日常生活の中でよくあることからくる場合が多いです。いくつか代表的なものを見ていきましょう。
筋肉の疲れや凝り
普段からパソコン作業が多い、スマホをよく使う、姿勢が悪い、重いカバンを片方の肩にかける癖がある、なんてことはありませんか？ 脇の下には、肩や腕を動かすためのたくさんの筋肉（大胸筋、広背筋、前鋸筋、小円筋、大円筋など）が集まっています。これらの筋肉が使いすぎたり、同じ姿勢で長時間いることで硬くなったりすると、筋肉痛のようなズキンとした痛みを感じることがあります。肩こりと同じように、血行が悪くなることも痛みの原因になります。
リンパ節の腫れ
脇の下には、体中に張り巡らされているリンパ管の途中に「リンパ節」という免疫機能に関わる大切な場所があります。風邪をひいたり、体に炎症が起きたりすると、このリンパ節が腫れて、触ると痛みを感じることがあります。多くの場合、腫れは数日で自然に治まりますが、しこりのように触れることもあります。
皮膚のトラブル
毛嚢炎（もうのうえん）や粉瘤（ふんりゅう）：毛穴に細菌が入って炎症を起こしたり、皮膚の下に袋状のしこりができて炎症を起こしたりすると、ズキンとした痛みや熱を持つことがあります。
帯状疱疹（たいじょうほうしん）：水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こる病気です。体の片側にピリピリ、チクチクとした痛みが生じ、数日後に赤い発疹や水ぶくれができます。脇の下も発症しやすい部位の一つです。
ホルモンバランスの変化
女性特有の理由として、生理前や生理中、または妊娠中など、ホルモンバランスが大きく変化する時期に、脇の下の痛みを感じることがあります。これは、乳腺組織がホルモンの影響を受けるためと考えられています。乳房の張りや痛みと一緒に、脇の下にも痛みを感じることが多いです。
もしかして？気になる病気との関係性
ほとんどの脇の下の痛みは心配のないものですが、中には医療機関の受診が必要な病気が隠れている可能性もゼロではありません。
乳腺の病気
乳腺症（にゅうせんしょう）：女性ホルモンの影響で乳腺が変化し、しこりのように触れたり、痛みを感じたりする良性の病気です。脇の下に痛みが放散することもあります。
乳腺炎（にゅうせんえん）：乳腺が炎症を起こし、痛みや腫れ、熱を伴うことがあります。授乳期の女性に多いですが、そうでない場合にも起こることがあります。
乳がん：稀ではありますが、乳がんが脇の下のリンパ節に転移して、しこりや痛みを引き起こすことがあります。しかし、痛みを伴わないしこりとして見つかることの方が一般的です。
その他の病気
肋間神経痛（ろっかんしんけいつう）：肋骨に沿って走る神経が何らかの原因で刺激され、胸や背中、脇の下に鋭い痛みが走る病気です。ズキンとした痛みが特徴的です。
胸郭出口症候群（きょうかくでぐちしょうこうぐん）：首から腕にかけて走る神経や血管が、鎖骨や肋骨の間で圧迫されることで、痛みやしびれが生じる病気です。脇の下にも症状が出ることがあります。
こんな時は病院へ！受診の目安と何科に行くべき？
脇の下の痛みが続く場合や、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
受診を検討する目安
痛みが2〜3日以上続く、あるいは悪化する。
脇の下にしこりがある、または大きくなっている。
痛みの他に発熱、赤み、腫れがある。
腕のしびれや動かしにくさがある。
脇の下だけでなく、胸や腕全体に広がる痛みがある。
強い痛みで日常生活に支障が出る。
何科を受診すればいいの？
迷ったときは、まずは以下の科を検討してみてください。
乳腺外科：しこりがある、または乳房に関連する痛みの場合は、まず乳腺外科を受診しましょう。女性の脇の下の痛みで一番最初に検討すべき科と言えます。
内科：発熱や体調不良を伴う場合や、原因がはっきりしない場合は、まずは内科で相談してみましょう。
整形外科：筋肉痛や神経痛が疑われる場合、特に腕の動かしにくさやしびれを伴う場合は、整形外科が専門です。
皮膚科：皮膚に発疹や水ぶくれがある場合は、皮膚科を受診しましょう。帯状疱疹などの可能性があります。
毎日のケアで痛みを和らげよう！
深刻な病気でない場合、日常生活でできるセルフケアで痛みが和らぐこともあります。
温める：温かいお風呂にゆっくり浸かったり、ホットタオルを当てたりして血行を促進しましょう。筋肉の凝りや痛みの緩和に役立ちます。
ストレッチ：肩や腕、脇の下のストレッチをすることで、筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を高めることができます。
姿勢の改善：猫背や前かがみの姿勢は、脇の下の筋肉に負担をかけやすいです。意識して良い姿勢を保つようにしましょう。
ストレス解消：ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、痛みを悪化させることがあります。リラックスできる時間を作り、ストレスを上手に解消しましょう。
適切な下着を選ぶ：締め付けの強いブラジャーは血行を妨げ、痛みを悪化させる可能性があります。ご自身の体に合った、締め付けの少ない下着を選びましょう。
まとめ：不安な気持ちは抱え込まずに
左の脇の下のズキンとした痛みは、多くの場合、一時的なものや心配のない原因によるものです。しかし、もし少しでも不安を感じたり、症状が改善しない場合は、一人で悩まずに医療機関を受診してくださいね。早期に原因を特定し、適切な対処をすることで、安心して毎日を過ごせるようになります。