大切な子どもの命を守る!チャイルドシートは「いつまで」「何歳まで」必要?徹底解説
「うちの子、もうすぐ3歳だけど、チャイルドシートってまだ必要なの?」「周りの子は使ってないみたいだけど…」「ジュニアシートって、いつから使えるの?」
お子さんが成長するにつれて、チャイルドシートに関する疑問や不安は尽きないものですよね。
道路交通法で着用が義務付けられているチャイルドシートは、万が一の事故の際に、お子さんの命を危険から守るための大切な命綱です。しかし、法律の基準と、お子さんの安全を本当に守るために必要な期間は、必ずしも同じではありません。
この記事では、お子さんの命と安全を守るために、チャイルドシートが**「いつまで」「何歳まで」**必要なのかを、法律の観点と、より安全を考慮した専門家の視点から徹底的に解説します。さらに、チャイルドシートの種類や、買い替えのタイミング、そしてお子さんが嫌がらずに乗ってくれるためのヒントまで、パパママの疑問をすべて解決します。
大切な家族を守るために、ぜひ最後まで読んで、正しい知識を身につけてくださいね!
法律で定められている!チャイルドシートは「6歳未満」までが義務
まず、大前提となる日本の道路交通法を見てみましょう。
日本の道路交通法第71条の3第3項では、**「6歳未満の幼児を自動車に乗車させる場合、チャイルドシートを使用しなければならない」**と定められています。違反した場合には、交通違反の点数が1点加算されます。
つまり、法律上は**「6歳の誕生日を迎えるまで」**がチャイルドシートの着用義務期間ということになります。
しかし、これはあくまで「最低限の義務」です。お子さんの安全を第一に考えるのであれば、法律の基準だけで判断するのは少し早いかもしれません。なぜなら、6歳になったからといって、すべてのお子さんが安全にシートベルトを着用できるわけではないからです。
法律だけでは不十分?チャイルドシートを「6歳以降も継続」すべき理由
「じゃあ、6歳になったらすぐにチャイルドシートを卒業しても大丈夫なの?」
答えは、**「多くの場合、No」**です。
車のシートベルトは、大人の体型に合わせて設計されています。身長が足りないお子さんがそのままシートベルトを着用すると、以下のような危険性があります。
1. シートベルトが首にかかる「シートベルト症候群」の危険
シートベルトが肩ではなく首にかかってしまうと、万が一の衝突時に首を強く圧迫し、**重篤な外傷(頸椎損傷など)**を負う危険性があります。これは「シートベルト症候群」とも呼ばれ、非常に危険な状態です。
2. シートベルトが骨盤でなくお腹にかかる危険
正しくシートベルトを着用するには、腰ベルトが骨盤の低い位置を通る必要があります。しかし、座高が低いお子さんの場合、お腹にかかってしまい、衝突時に内臓を損傷するリスクが高まります。
3. 体が安定せず、車内で危険な動きをする可能性
体がシートにフィットしないため、カーブを曲がる際などに体がぐらつき、正しい姿勢を保てません。これにより、急ブレーキ時などに体が前に飛び出したり、車内の硬い部分に体をぶつけたりする危険性も増します。
これらの理由から、多くの交通安全の専門機関や自動車メーカーは、身長140cm以上になるまでは、チャイルドシート(特にジュニアシート)の使用を推奨しています。お子さんの成長には個人差がありますが、一般的には小学校高学年くらいまでチャイルドシートが必要になることが多いです。
お子さんの成長に合わせたチャイルドシートの種類と選び方
チャイルドシートには、お子さんの成長に合わせて大きく3つのタイプがあります。
1. 乳児用チャイルドシート(ベビーシート)
対象: 新生児~1歳頃(体重13kg未満、身長70cm未満が目安)
特徴: 後ろ向きに取り付けるタイプがほとんど。衝撃から首や頭を守るために、背中全体を包み込むような形状です。退院時から必要になるため、出産前に準備しましょう。
ポイント: 車からの乗せ降ろしがしやすいように、持ち運びできるキャリータイプや、回転式のものもあります。
2. 幼児用チャイルドシート
対象: 1歳~4歳頃(体重9kg~18kg、身長65cm~100cmが目安)
特徴: 前向きに取り付けるタイプ。シートベルトで固定するものや、ISOFIX(アイソフィックス)対応のものがあります。
ポイント: 長く使うものなので、お子さんが快適に過ごせるよう、リクライニング機能や通気性の良い素材かなども確認しましょう。
3. 学童用チャイルドシート(ジュニアシート)
対象: 3歳頃~10歳頃(体重15kg~36kg、身長95cm~140cmが目安)
特徴: シートベルトの正しい位置を確保するために、座面を高くしたり、背もたれで肩ベルトの位置を調整したりするタイプです。
ポイント: 背もたれ付きタイプと座面のみのブースタータイプがあります。お子さんの寝姿勢や安全性を考えると、できるだけ背もたれ付きタイプがおすすめです。身長140cmに満たないうちは、ジュニアシートを使い続けるのが安全です。
買い替えのタイミングは?こんなサインを見逃さないで!
チャイルドシートは、お子さんの成長に合わせて買い替えが必要です。以下のサインが見られたら、次のステップを検討しましょう。
乳児用から幼児用へ:
お子さんの頭がシートの背もたれから出るようになったり、体重が上限を超えたりしたら買い替え時です。
幼児用から学童用へ:
シートの肩ベルトが肩よりも下になったり、ヘッドレストを一番上にあげても頭の位置が合わなくなったりしたら、ジュニアシートへの移行を検討しましょう。
ジュニアシートからシートベルトへ:
以下の「座席チェック5つのステップ」をクリアできるようになったら、ジュニアシートを卒業できる目安です。
自動車シートベルトへの移行目安!「座席チェック5つのステップ」
お子さんがジュニアシートなしで車のシートベルトを安全に使えるかどうか、以下の5つのステップで確認してみましょう。すべてクリアできるのが理想です。
背中がシートの背もたれにぴったりついているか?
お尻を一番奥まで入れて座ったときに、背中と背もたれの間に隙間がないこと。
膝がシートの端から自然に曲がるか?
膝がしっかりシートの端で曲がり、足の裏全体が床に届くか、届かなくても足がぶらぶらしないこと。
肩ベルトが肩の中央を通っているか?
シートベルトが首にかかることなく、肩の中央を通っていること。
腰ベルトが骨盤の低い位置を通っているか?
腰ベルトがお腹ではなく、骨盤(腰骨)の低い位置にぴったりフィットしていること。
座った姿勢を保てるか?
走行中に正しい姿勢を保ち、シートベルトの位置がずれないこと。寝てしまっても姿勢が崩れないかなども確認しましょう。
これらのチェック項目を全てクリアできるようになるまでは、ジュニアシートを継続して使用することが、お子さんの安全を守る上で非常に重要です。
お子さんがチャイルドシートを嫌がる…どうすればいい?
「座りたがらない」「すぐに抜け出す」など、お子さんがチャイルドシートを嫌がることはよくありますよね。しかし、安全のためには諦めずに乗ってもらうことが大切です。
早いうちから慣れさせる:
新生児期から日常的にチャイルドシートに乗せて、車に乗るときは「チャイルドシートに乗るもの」と習慣づけましょう。
快適な環境を整える:
シートの角度調整、通気性の良い素材、日よけなど、お子さんが快適に過ごせる工夫をしましょう。
お気に入りのおもちゃや絵本を用意する:
退屈しないように、好きなおもちゃや絵本、DVDなどを用意してあげましょう。ただし、危険なものは避け、車内で散らばらないよう配慮が必要です。
乗車前にトイレを済ませる:
お腹が空いていないか、トイレは済ませたかなど、乗車前の準備をしっかり行い、途中で不快にならないようにしましょう。
ポジティブな声かけをする:
「座れてえらいね!」「チャイルドシートは〇〇ちゃんを守ってくれるんだよ」など、肯定的な言葉でチャイルドシートに乗ることを促しましょう。
短時間から慣らす:
最初は短い距離から始め、徐々に乗車時間を長くしていくと良いでしょう。
安全と快適さを両立した製品を選ぶ:
最新のチャイルドシートは、安全性はもちろん、お子さんの快適さにも配慮された設計のものが増えています。購入の際は、実際に店舗で試してみるのもおすすめです。
まとめ:安全は「愛情」!お子さんの成長に合わせてしっかり守ろう
チャイルドシートは、単なる法律の義務ではありません。それは、大切な我が子の命と未来を守るための、パパママからの愛情表現です。
法律で定められた「6歳未満」という基準は最低限であり、お子さんの安全を最大限に確保するためには、身長140cmに達するまで、あるいは車のシートベルトが正しくフィットするようになるまでは、チャイルドシート(特にジュニアシート)を使い続けることが非常に重要です。
今回解説した内容を参考に、お子さんの成長と車のシートベルトの適合状況を定期的に確認し、常に最適なチャイルドシートを選んであげてください。そして、安全で快適なドライブを家族みんなで楽しみましょう!