「なんかだるい…」女性が陥りやすい鉄分不足!放置するとどうなるの?
「立ちくらみがする」「なんだか毎日体が重い」「顔色が悪いって言われる…」――もしあなたがそんな不調を感じているなら、もしかしたら鉄分不足が原因かもしれません。特に女性は、様々な理由から鉄分が不足しやすく、知らないうちに体に影響が出ていることがあります。
今回は、女性に多い鉄分不足が体にどんなサインを出すのか、そして放置するとどうなるのかを詳しく解説していきます。
女性に鉄分不足が多いのはなぜ?その主な理由
女性が鉄分不足になりやすいのには、いくつかの明確な理由があります。
生理による出血: これが最大の理由です。毎月の生理によって、女性は定期的に血液(=鉄分)を失っています。経血量が多い人ほど、鉄分不足に陥りやすくなります。
無理なダイエット: 食事制限をすると、肉や魚、野菜など、鉄分を多く含む食品を十分に摂れなくなることがあります。特に極端なダイエットは、栄養バランスを崩し、鉄分不足を招きやすいです。
妊娠・出産: 妊娠中は、お腹の赤ちゃんへ鉄分を供給する必要があるため、通常よりも多くの鉄分が必要になります。出産時にも出血があるため、産後も鉄分が不足しがちです。
偏った食生活: 鉄分は、レバーや赤身肉、ほうれん草、ひじきなど様々な食品に含まれていますが、これらをバランス良く摂れていないと不足しやすくなります。特に、インスタント食品や加工食品中心の食生活では、鉄分が不足しがちです。
鉄分不足になると体にどんな変化が起こるの?
鉄分が不足すると、私たちの体は様々なSOSサインを出します。初期の段階では気づきにくいこともありますが、見逃さないようにしましょう。
初期段階のサイン
疲れやすい・だるい: 十分な睡眠をとっても、朝から体が重く、疲れが取れないと感じることが多くなります。
集中力の低下: 仕事や勉強に集中できなかったり、物忘れが多くなったりすることがあります。
顔色が悪い・くすみ: 血液中のヘモグロビン(酸素を運ぶ役割)が少なくなるため、顔色が悪く、青白く見えたり、肌がくすんだりします。
めまい・立ちくらみ: 急に立ち上がった時に、目の前が真っ暗になったり、ふらついたりします。これは脳に十分な酸素が届かないためです。
動悸・息切れ: 少しの運動で心臓がドキドキしたり、息が上がったりしやすくなります。これも酸素不足が原因です。
頭痛: 慢性的な頭痛を感じる人もいます。
進行すると現れるサイン
鉄分不足がさらに進行すると、より具体的な症状が現れることがあります。
貧血(鉄欠乏性貧血): 医療機関で「貧血」と診断される状態です。上記のような症状がさらに悪化し、日常生活に支障をきたすようになります。
爪の異常:
スプーン爪(匙状爪): 爪の真ん中がへこんで、スプーンのように反り返る症状です。
爪が薄くもろくなり、割れやすくなることもあります。
髪のトラブル: 髪の毛がパサついたり、切れ毛が増えたり、抜け毛が増えたりすることがあります。
異食症: 氷や土、紙など、通常は食べないものを無性に食べたくなる症状です。鉄分不足のサインとして比較的有名です。
口角炎・舌炎: 口の端が切れたり、舌が炎症を起こしてヒリヒリしたりすることがあります。
肌の乾燥・荒れ: 肌のターンオーバーが乱れ、乾燥しやすくなったり、肌荒れが悪化したりすることがあります。
朝起きられない・日中の眠気: 睡眠の質が悪くなり、いくら寝ても疲れが取れず、日中も強い眠気に襲われることがあります。
むずむず脚症候群: 寝ている時などに脚に不快なむずむず感や痛みが生じ、じっとしていられなくなる症状です。
鉄分不足を放置するとどうなる?
鉄分不足を放置すると、単なる不調で済まされず、以下のような影響が出ることがあります。
生活の質の低下: 慢性的な疲労感や集中力の低下により、仕事や学業のパフォーマンスが落ちたり、趣味や外出を楽しむ気力がなくなったりと、日常生活の質が著しく低下します。
免疫力の低下: 鉄分は免疫機能にも関わっているため、不足すると風邪をひきやすくなったり、病気からの回復が遅れたりすることがあります。
精神的な影響: 鉄分不足は、気分の落ち込みやイライラ、不眠といった精神的な不調にもつながることが指摘されています。うつ病と似た症状が出ることもあります。
妊娠への影響: 妊娠を考えている場合、鉄分不足は不妊の原因になったり、妊娠中のトラブル(早産、低体重児出産など)のリスクを高める可能性があります。
病気の悪化: 既存の病気がある場合、鉄分不足がその病状を悪化させたり、治療の効果を妨げたりすることもあります。
鉄分不足を解消するためにできること
「もしかして私、鉄分が足りてないかも…?」と感じたら、まずは食生活を見直してみましょう。
鉄分を多く含む食品を摂る:
ヘム鉄(動物性食品): レバー、赤身肉(牛肉、豚肉)、カツオ、マグロなど。吸収率が高いのが特徴です。
非ヘム鉄(植物性食品): ほうれん草、小松菜、ひじき、大豆製品、アサリ、卵など。
ビタミンCと一緒に摂る: ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を高めます。鉄分を多く含む食品と一緒に、柑橘類やブロッコリー、パプリカなどを摂るのがおすすめです。
吸収を妨げるものに注意: タンニン(コーヒー、紅茶、緑茶)やフィチン酸(穀物の外皮)は鉄の吸収を妨げる可能性があります。食後すぐにこれらを大量に摂取するのは避けましょう。
鉄分サプリメントの活用: 食事だけで補給が難しい場合は、サプリメントを利用するのも一つの手です。ただし、過剰摂取は体に負担をかけることもあるので、用量を守り、心配な場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
そして何よりも大切なのは、「あれ?」と思ったら自己判断せずに、医療機関を受診することです。血液検査で鉄分やフェリチン(貯蔵鉄)の量を調べてもらい、適切な診断とアドバイスを受けるようにしましょう。
鉄分不足は、日々のパフォーマンスや健康状態に大きく影響します。早めに気づいて対策することで、つらい不調から解放され、毎日をもっと元気に過ごせるようになりますよ!