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最年長スケーター 鈴木道春さん(74才)の
スケートアジア2000思い出日記
鈴木道春 記

2000年8月18日

 どこまでも続く椰子とバナナの密林、6車線の広いハイウエー。 空は青く、刷子でひいたような幾筋かの白い雲。 段々と茜色に染まってきた。 やがて、その白い雲の間に南国の大きな太陽が傾いていった。 緑の大きな椰子の葉が黒くシルエットになった。 太陽が燃えるように真っ赤だ。白い雲が黄金の輝きに変わった。 生まれて初めて見るマレーシアの広大な夕焼けが今私の目の前にある。 何と素晴らしきことぞ。何と神の御業の偉大なこと・・・・・
 大会に参加するクアラルンプール空港からホテルに向かうタクシーの中、『みち春さんを夕焼けが迎えてくれたのヨ』と飯田先生。 『こりゃ幸先がいいぞ』一人悦にいった私は、暮れなづむ異国の地で己のこの幸をじっと目をとじて神に感謝した。


2000年8月19日

 HELLO, MICHIHARU. HOW ARE YOU? NICE TO MEET YOU.
 去年の大会で友達になった現地の人達。懐かしい顔々々。 握手、抱擁、キッス、こんなにも歓迎してくれて、体がふるえる程うれしかった。 去年の大会で、私と一緒にテレビインタビューした5才くらいの男の子がかけてきて抱きついた。 少し大きくなった。 体重も増えたようだ・・・・
 『SUZUKIさん元気』片言の日本語で話しかけてきた中学生くらいの美少女。彼女は今日本語を勉強中とか。 変な日本語で、私の会話を友達に通訳しては大きな声で笑った。 
 私の周囲に人だかりができて質問攻めにあった。 マレーシア語、私には一言もわからない。 でも愛は通じているらしい。 土産に持ってきた日本人形の押し絵や羽子板、浮世絵のTシャツ、おもちゃの日本刀など、男の子は飛び上がってよろこんでくれた。
 め組の火消しをモデルにした額入れの押し絵を、リンク事務所に寄贈したらすごく喜んで、早速壁に掛けてくれた。
オーナーと一緒に記念写真も撮った。 
 私も纏を持った火消し姿でスポットライトを滑走。 思いがけない大きな喝采をうけて何百人もの見物客の前で挨拶をさせられるはめになった。 通訳に飯田先生の忙しいこと。


2000年8月20日

 睫の長い可愛い女の子4人と好青年3人が、私のところに近づいてきた。Lunchをご馳走するというのだ。 私の手を引いてリンク近くの大きなレストランに入った。 写真入りのメニューを見たが、見たこともない料理で、何がなんだかわからない。 好物のチキンを指さしてそれに決めた。
 大きな皿に盛られた大きな鶏肉、南国特有の香辛料のきいたソース、思わず生唾をのんだ。 パパイヤの濃縮ドリンク・・これが胃袋が痛くなる程おいしい。 とにかく賑やかな食事だ。滅茶苦茶美味しいグーのサインをだしたら、皆拍手をしてよろこんだ。
 JAPANに行きたい。誰かが言った。 TOKYOが見たい。みんなが言った。 日本に来たら何をご馳走しよう?どこを案内しようか? 日本の恥な所を見せたくない。今から考えておこう。 ああ今日もおいしかった。 THANK YOU!


2000年8月21日

 黒い髪に金銀粉をつけて真中から分け、後ろの毛を指ほどの太さに30p位三つ編みにして、背中にたらした男の子。 中国服と目の大きいのがとにかく可愛い。 一緒に写真を撮ってくれと言うのだ。 謝 謝・・・
 来年のアジア大会開催地は香港に決定したようだ。 『同志香港再見我姓李清安』と言った。 頬にキッスしたらマシュマロのようにやわらかだった。 来年は君の国できっと逢おうね。

 ・・・・・あれ、スケート大会に来てスケートのこと一言も書かなかった。 あんなにレッスンをしてくれ、心配をしてくれた原田先生に怒られちゃう・・・・・・・・優しい先生の顔が脳裏に映る。 目を閉じて気持ちを落ち着けた。 高鳴る心臓。鼓動が静かになった。 とにかく今までにないリラックスした心地・・・出番・・・行くぞ・・ エッヂがよく氷にかみついていくのがわかった。 一歩一歩気持ちよく滑れた。・・・・・成功か? 拍手が大きく聞こえた。いくつもの花束がリンクに投げ込まれた。 ・・・やりました原田先生!! 『良かったよ』飯田先生が肩をたたいてくれた。 
 その後記者のインタビューに答えたり、今日も一日忙しい楽しい日であった。


2000年8月22日

 楽しいと時がたつのがこんなに早いのか。今夜クアラルンプールと別れる夜。 飯田先生とのDINNER、これが又楽しい。 わからないメニューを一品一品解説をしてくれ、レストランの選択、食事の演出、最高の雰囲気の中で生涯忘れられない食事を堪能。 ワイングラスをカチッと合わせて、今回の成功を祝ってくれた。 先生ありがとう。
 ワインの酔いなのか涙が止まらなく出てきた。こんな幸福を一人締していいのだろうか。自分の身がこわくなる程幸福。
 ホテルはテーマルーム。ウエスタン幌馬車のベット、インデアン酋長の部屋の装飾。気分最高!! リンク内では、オリンピック選手スリヤ・ボナリーさんやデビット・リウさんとの記念写真、友達と来年もきっと逢う約束・・・うれしいこと
ばかりが頭の中をかけめぐっている。 貧乏ながら丈夫に産んでくれた母を偲び感謝する・・・・・。

2000年8月23日

 JAL724便。 午前 5時45分。 鹿児島上空。 外気 -40℃。 速度 840Km 高度 11,000m(富士山の約3倍) 太平洋側が夜明前の兆しで、雲海が森のように鳥のように、湖のように形を変えて段々白くなってきた。 遠くの方が赤くなった。急速に黄金色に変わった。 ピカッ 幾筋もの閃光とともに太陽が姿をみせた。 下から強烈な光。やっと10秒ぐらいのドラマ。 それ以上は眩しくて見ていられない。
 マレーシアでは夕日が迎えてくれ、帰国は小さな窓から機内まで同じ太陽が迎えてくれた。 成田まであと1時間のフライトだ。 最高なプレゼント。 飯田先生ありがとう。 原田先生、リンクの諸先生只今帰りました。 応援のメッセージを送ってくれた友達、頑張ったヨ。 特別賞までもらっちゃった。 私にこんな幸福をくれたリンクの皆さん本当にありがとう。 これからもスケートを通して、愛の使者として世界の人々と交流を深めていけたら最良な人生であるとおもっています。 有り難う、ありがとう・・・・・ マレーシアの皆さん HAVE A NICE DAY!


■ この日記は、東武川越スケートセンター・スケート教室メンバーの鈴木道春さん(74才)のスケートアジア2000大会へ参加した際の日記を原文のまま掲載しました。 スケートアジア2001は、香港で開催されます。 教室メンバーで、ISIプログラムに登録をされたテスト合格者であれば、年齢、テスト級に関係なくどなたでも参加できる大会です。 今から来年の夏に向けて、スケートを始めてみませんか? 参加方法等に付きましては、東武川越スケートセンター・スケート教室宛お問い合わせください。 お問合せはこちらから!

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